【主張】女性登用促進へ環境整う

2014.12.15 【社説】

 政府は、2020年までに「指導的地位」にある女性割合を30%に引き上げる目標を掲げている。産業界からは、「相当遠い数字」として、達成を困難視しているようだが、一方で高い数値目標なくして意識改革は期待できないのも現実である。

 来年度以降は、女性活躍に向けた各種事業への予算投入が大幅に拡充されるほか、臨時国会で廃案となった女性活躍推進法案もほどなく次期通常国会に再提出されよう。企業としては、この流れに沿って「指導的地位」に限らずあらゆる場面で女性登用を積極化すべきである。女性側に対しては、仕事に対する意識の向上を望みたい。

 女性活躍に向けた課題のうちでも、政府が来年度最も重視しているのは、待機児童解消加速化プランで、6200億円を計上している。出産後も仕事を続けるためには、保育所待機児童を一刻も早く解消する必要がある。

 女性活躍推進法案の関連では、女性登用のための行動計画を作成・公表した企業に支給する助成金を新設する予定となっている。

 見習うべきは、2000年時点で女性労働力率のM字カーブを解消したフランスのケースであろう。女性管理職比率は、2005年時点ですでに37%に達し、直近のデータでは39%に上昇している。2011年からは、大企業などに対し役員クオータ制を導入した。

 日本の女性管理職比率は、先進国で最低の12%程度に留まる。この数字は、シンガポールやフィリピンなどにも後れをとる。生産年齢人口減少への対応やダイバーシティの推進などという前に、先進国としてあまりにも恥ずかしい数値というほかない。

 日本が、フランスを含む欧州諸国のように、法律で比率を規制する現状にはないが、政府が掲げている目標「20・30」を真剣に受け止め、結果を残すべき時期が来ている。これまでの遅れを一気に取り戻したい。

 職場で女性登用が進むかどうかは、経営者や管理職の意識改革によるところが大きい。まずはしっかり目標を掲げ、前向きに臨むしかない。

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掲載 : 労働新聞 平成26年12月15日第2997号2面

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