【主張】女性力開発と登用は喫緊の課題

2013.05.20 【社説】

 以前小欄でも紹介したことがあるが、「ダボス会議」を開催することで知られる国際的非営利財団「世界経済フォーラム」が、世界各国の男女間の不平等の状況を調査した2012年版「男女格差報告」によると、わが日本は調査対象135カ国のうち101位という惨状だった。世界第3位の経済力を誇っている半面で、このような実態にあるということは、国民等しく認識しておかなければなるまい。

 評価指標をみると、経済活動への参加と機会が102位だから、当然のことながら、幹部や管理職への登用は106位という状況にある。

 ところで、昨年6月、ほぼ全官庁を網羅した「女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議」が結成され、行動計画が発表されたのをご存知だろうか。副題を「働く『なでしこ』大作戦」と命名したところに、悪乗りした胡散臭さもうかがえる。それはともかく厚生労働省では、ポジティブアクション(女性の能力開発促進のための企業の積極的取組み)を推進する「営業チーム」を編成した。6月はちょうど男女雇用均等月間に当たり、格好の話題ともなったかどうか定かでないが、うたい文句はすごい。

 平成27年度までの達成目標として、企業訪問(同省では営業企業数と称している)2万1000社、ポジティブアクション取組企業数1万2600社、女性管理職比率などの情報開示を行う企業数2750社、と公約している。雇用均等・児童家庭局長をチーム長とし、本省・都道府県労働局から総勢104人を配置と勇ましい。ただ、同省は、「消費者、就職希望者、市場関係者に対し、企業の可視化を促進する取組みを『見える化』総合プラン」の策定を課されているが、12年末とする期限を4カ月過ぎた現在に至っても、作成途上段階。政権や大臣の交代もあり、この遅れを責めるのは酷だが、同省がまとめた「平成23年度雇用均等調査」によると、3割の企業で女性管理職はゼロ、登用されていても部長相当職4.5%、課長同5.5%、係長同11.9%の実態を改善するのは至難の業といえる。公約の達成を祈るばかりだ。

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掲載 : 労働新聞 平成25年5月20日第2921号2面

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