【主張】コンビニ店主は労働者か

2015.05.25 【社説】

 東京都労働委員会は先ごろ、ファミリーマート加盟店ユニオンによる不当労働行為救済申立てを認め、本部の㈱ファミリーマートに対し、団交応諾命令を下した。ほぼ1年前にも、同様の団交応諾命令が、㈱セブン-イレブン・ジャパンに出されている。後者は現在、中央労働委員会による再審査に掛かっており、紛争の不必要な拡大を防ぐためにも早急に判断を示すべきである。

 学説、判例上も労働組合法上の「労働者」は、労働基準法上の「労働者」より広く解釈されている。これまでも、プロ野球選手の労働者性を肯定したほか、管弦楽団の楽団員、業務委託契約に基づいた設備メンテナンス技術者などによる団交要求を認めてきた経緯がある。

 今回の2つの命令では、コンビニ店主を労組法上の「労働者」と認めた上で、本部に対しフランチャイズ契約に関する団交に応じるよう命令したものだ。

 命令書では、コンビニ店主が事業の不可欠な労働力として組織に組み込まれていたことや「広い意味」での指揮監督の下で労務提供していたという実態があったとした。フランチャイズ契約が交わされているものの、コンビニ店主が顕著な事業者性を備えていなかったことも考慮した。

 ただ、コンビニ店主が本部から受け取る金員に、労務対価性があるかはさらに検討を要する。労組法上であっても「労働者」とされる限りは、「賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者」とした定義に合致する必要がある。

 セブン-イレブン・ジャパンのケースをみると、コンビニ店主は、売上金を毎日本部へ送金し、本部はコンビニに納入した商品代金とフランチャイズ料を控除した金額を利益として支払う仕組みとなっている。コンビニ店主は必ずしも労働する必要はない。

 売上金から必要経費を控除してコンビニ店主に支払われた金員が、賃金、給料に準ずる収入に該当するのだろうか…。いずれにしても、個人経営者の労働者性認定については、中労委や裁判所の判断を待ちたい。

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掲載 : 労働新聞 平成27年5月25日第3018号2面

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