【主張】コンビニ店主へ妥当判断

2019.04.04 【社説】
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 中央労働委員会(岩村正彦会長)は、このほど決定した不当労働行為救済命令で、ファミリーマートおよびセブン-イレブン・ジャパンとの間でフランチャイズ契約を結んだコンビニエンスストア店主(経営者)を労働組合法上の「労働者」と認めなかった(本紙平成31年4月1日号2面既報)。東京都および岡山県労働委員会の初審命令を取り消したもので、その結果、フランチャイズ本部に団体交渉義務はないとしている。

 コンビニ店主が労務提供対価としての「報酬」を受けていないことなどが決め手となったが、極めて妥当な判断である。自由意思に基づいて本部とフランチャイズ契約を締結したコンビニ店主を、単に外見上従属性があるからといって労働者性を認定したら、その他小売業などに幅広い影響を与えかねない。

 労組法上の「労働者」として認定されるか否かは、実務上極めて重大な問題である。労働者性が認定された場合、労組法に規定している不当労働行為救済制度の対象となり、使用者による組合員差別、支配介入、正当理由のない団交拒否は違法となる。

 労働者性を認めた初審命令では、コンビニ店主が事業の不可欠な労働力として組織に組み込まれ、「広い意味」での指揮監督の下で労務提供していたという実態があるとした。フランチャイズ契約が交わされているものの、コンビニ店主が顕著な事業者性を備えていなかったとみている。

 本欄では、従来からこの初審命令に疑問を投げ掛けていた(27年5月25日号「コンビニ店主は労働者か」)。売上金から必要経費を控除してコンビニ店主に支払われた金員が、労組法上の「賃金、給料その他これに準ずる収入」に該当するとは思えない。

 中労委命令も受け取った金員の性格に関し、「労務対価性を肯定することはできない」との判断を示している。事業者性判断では、労働者を活用し自らリスクを引き受けて事業を行っているのであり、「顕著な事業者性を備えている」と考え方を一転させた。労働法の保護対象となるかは、常に専門家による慎重な判断を前提として欲しい。

平成31年4月8日第3204号2面 掲載

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