【主張】雇用規制緩和は労使協調路線で

2014.05.26 【社説】
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 経済同友会は、第2弾成長戦略に向けた提言で、事後型金銭解決(救済)制度の検討を進めるよう提言し、飽くなき執念をみせている(本紙5月12号1面参照)。日本労働弁護団の鵜飼良昭会長は、意見書の中で「解雇が無効であった場合に、労働者の意思に反しても使用者の意思によって労働契約関係を解消できるような金銭解決制度については、当弁護団が再三述べてきたとおり、『金で解雇を買う制度』であり、制度が導入されれば、解雇権濫用法理を立法化した労働契約法の規範性を著しく弱め、解雇規制の空洞化をもたらすものである」と強調している。連合は、金銭解決は労働審判法によって機能しており、導入する必要性はないという立場だ。

 厚生労働省が、このほど明らかにした解雇に関する労働紛争における解決金額の集計結果では労働審判にも触れている。「労働審判では、5割が100万円未満に留まっているが、1000万円を超える事案もあった」がそれだ(本紙5月5日号1面参照)。

 本紙では、経営法曹会議に所属する弁護士各位に寄稿していただいているが、昨年1年間47回にわたって対極にある鵜飼会長を始めとする日本労働弁護団の会員各位に「事例で知る労働審判制度の実情」を執筆していただいた。高額解決金は以下のとおり。

 年俸1600万円の2年分(2919号)・調停1回で1000万円(2929号)・解雇撤回後1000万円(2905号)、500万円以上も少なくない。解決金の相場は給与4~6カ月分といわれているから、弁護団の威光が働いたのだろうか。労働局長による解決制度や、審判制度の調停が不調に終わった場合は本訴(地方裁判所)に移行するが、紛争解決制度に比べ相当な期間が必要となる(和解に至るものも相当数あるが)。使用者が希望する解決金制度とて円満に進行するとは限らず、本訴に移るものが多いと予想される。このところ安倍総理の意向もあって、規制改革会議による労働分野にかかる規制緩和の鼻息が荒い。その分労働界の抵抗は強く、固執し過ぎると労使協調路線にヒビが入る危険性もあろう。

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平成26年5月26日第2970号2面 掲載

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