【主張】自社に即した休息時間を

2017.06.19 【社説】

 勤務間インターバル制度導入への圧力が高まっている。政府は、労働時間等設定改善法を改正して、導入を努力義務化するという。多くの企業にとって新たな試みとなるが、一律ではなく自社の実態に即した制度を労使連携して追求してもらいたい。組織全体のパフォーマンス向上にもつながろう。今年から助成金制度が新設されており、積極的に活用すべきである。

 勤務間インターバルといっても休息時間数の設定などにいくつかのパターンがある。先進導入事例をみると、必ずしも全社的に統一した休息時間数とするのではなく、最低義務8時間・努力義務10時間などと幅を持たせたり、部門別に適用時間数を変えたりしている。

 本田技研㈱では、22時まで残業した場合、本社・営業では12時間、研究所・工場では9時間30分~11時間30分の休息時間を設定している。翌朝の出社時間が遅れても9時以降は勤務したものとみなしているという。

 つまり、仕事の特性や通勤事情などを勘案し、きめ細かなインターバル制度の設計に意を注いでいる。勤務実態に即した制度を労使が一体となって検討・設計することが大切となってこよう。

 労働時間数の抑制につながることから、企業側が消極的になるのも無理はないが、いずれ制度導入の波に抗しきれなくなるだろう。働き方改革、長時間労働抑制、ワーク・ライフ・バランスの確立が日本全体の課題となっているなか、実質的に労働時間の上限となって睡眠時間が確保されれば効果は小さくない。

 先進導入企業では、単に働き方改革の側面だけに注目しているわけではない。組織全体としてのパフォーマンス(生産性)の向上に期待している面も大きい。社員の睡眠時間をしっかりコントロールすれば、パフォーマンスがアップすることも調査統計上実証されている。

 厚生労働省では、制度導入に向けた研修やコンサルティング、就業規則変更などに要する費用を対象とした助成金をすでに運用している。これを積極的に利用し、制度導入の契機としたい。

掲載 : 労働新聞 平成29年6月19日第3117号2面

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