働き方改革の推進者に/社会保険労務士法人名南経営 代表社員 大津 章敬

2017.06.11 【社労士プラザ】

社会保険労務士法人名南経営 代表社員
大津 章敬 氏

 リーマン・ショック後の雇用危機は過去の話となり、いまや深刻な人材不足の時代となっている。有効求人倍率は、すでにバブル絶頂の1990年に肩を並べる水準となっているが、これは統計上の話だけではない。日々、多くの経営者や人事労務担当者のみなさんとお会いするが、そのなかでも、「人材の確保が困難になっている」といった声を頻繁に聞くようになっている。

  2014年、某大手牛丼チェーンで、人員の確保ができず、営業時間を短縮したり、場合によっては店舗を閉鎖するという事態が発生したことは、まだまだ記憶に新しいのではないだろうか。

 しかし、これも対岸の火事ではない。現在の人材不足の状況が継続すれば、今後、多くの企業で、同様のトラブルが発生することは確実な状態にあり、それが企業業績に深刻な影響を与えることは避けられない。

 いくら良い商品やサービスを持っている企業であったとしても、安定的な人材確保ができなければ、予定どおりに事業を展開することは不可能である。

 昔から「ヒト・モノ・カネ」が経営の三要素であるといわれるが、今後はまず「ヒト」を確保しないことには何も始まらないという時代になっていくであろう。

 この状況を別の視点からみれば、安定的な人材確保ができれば、それだけで人手不足に苦しむ競合他社に対して、相対的優位に立つことができる時代であるということもできる。人事労務に携わる人間にとっては、これほどやりがいのある時代はない。優れた人事労務管理を進めることによって、企業を大きく発展させることができる時代になったのだから。

 こうした状況に対応すべく、政府も働き方改革を推進しており、2019年4月には同一労働同一賃金や過重労働対策を中心とした大きな法改正が予定されている。

 これからの社会保険労務士は、働き方改革の強力な推進者として、まずは企業の人事労務管理の改革を支援し、新たなワークルールに対応するとともに、働く人と企業のハピネスを創造する取組みをしていくことが求められる。

 そして、その取組みが多くの企業で進められることによって、そのハピネスは社会全体に広がっていくことになるだろう。

 いまこそ社会保険労務士は、ヒトと組織の専門家としての役割を果たすことを通じて、より良い社会の実現を進めていかなければならない。

社会保険労務士法人名南経営 代表社員 大津 章敬【愛知】

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掲載 : 労働新聞 平成29年6月5日第3115号10面

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