事務所戦略の転換/社会保険労務士法人 アジア経営革新等支援機関 代表 工藤 裕徳

2022.04.24 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人 アジア経営革新等支援機関 代表 工藤 裕徳 氏

 2018年3月の開業当初から、ポリシーとして「給与計算代行」を受託してこなかった。理由は、期日を1日でも遅れたり計算を1円でも間違えたりすると強烈なクレームがくる、その割には決して単価は高くない、たくさん受託すると一年中締切りに追われて海外旅行に行けなくなる――などである。

 一方で、助成金と外国人の年金脱退一時金の申請代行を中心に受託してきた。どちらもロング・スパンの仕事である。

 昨年の65歳超雇用推進助成金のように、大当たりの助成金がある年や、そうではなく経営が安定しない年がある。そのような中でも、これまでは結果として一定の売上げを作ってきた。

 今年1月、助成金で取引のあった病院から、給与計算を含めて委託先を当社へ変更したい旨の相談があった。せっかくの話だったので、そこから給与計算ソフトと勤怠管理ソフトを研究し尽くした。

 分かったことは、給与計算で間違いが起こるのは、紙やファイルでもらった勤怠データを、人が入力するからだということ。勤怠管理ソフトの設定が正しければ間違いなど生じることはなく、さらに最新の勤怠管理ソフトと給与計算ソフトは、API連携されている場合も結構あるので、数分で給与計算を完了させることができる。むしろ採算の良い安定した仕事なのだと認識を改めた。

 給与データを保有していれば、助成金もピンポイントで提案できるようになるし、助成金申請のための賃金台帳や出勤簿のやり取りが不要となる。離職票の作成、労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎も難なくできるようになる。

 ソフトの選択で重要なことは、勤怠管理・給与計算・人事データ管理のソフトが、API連携されている組合せを選ぶこと。そうでないと、いったんCSVをダウンロードして読み込む作業が生じて、ミスが起きる原因となる。オールインワンのソフトもあるが、各機能ごとに、ベストのものを選択して連携させた方が良い気がする。

 問題は、勤怠管理ソフトの設定がけっこう面倒である点だ。とくに飲食業などシフト勤務が多い会社は難易度が上がる。そういった会社で、タイムカードの記録をエクセルに入力して勤務時間を算出している会社は相当数に上る。一方で、顧客に導入を依頼してもそれには至らないケースが多いと思う。なので今年は、勤怠管理ソフトの導入・設定を支援する有料ビジネスを始めることにした。かならずニーズはある。事務所戦略の大きな転換である。

社会保険労務士法人 アジア経営革新等支援機関 代表 工藤 裕徳【東京】

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令和4年4月25日第3350号10面 掲載

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