【道しるべ】夏場のエラー 酷暑での危険意識低下が怖い

2011.08.01 【ひのみやぐら】
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 炎天、熱風、薄曇りでの油照り……そんな日がつづくと、さすがに参る。消耗するのは体力だけではなくて、気持ちにだるさを覚え、頭の回転が鈍くなって集中心に欠けていると気づいたりもする。これが、いわゆる夏バテ(熱衰弱症)というやつか。

 ひっきりなしに汗をかくことからくる体内水分とミネラルの減少、消化機能低下による食欲不振・栄養不足、疲労を回復しきれない睡眠不足等々が衰弱症状を招く理由らしいが、冷房のきいた室内と屋外との出入りが頻繁なのも体温自律神経を乱して体調不良の原因になるそうだ。

 また、生理的変調が心理面に及ぼす影響では、イライラ感をつのらせ、注意力や判断力を散漫にして普段なら犯しそうもないミスとかエラーを誘う。体を動かすのが面倒になっての手抜き、省略・省エネ行動、脳の働きが通常でないための錯誤(ものの見落とし、聞き違い、勘違い)などがその典型だが、どれも無意識のうちに何気なくしてしまうケアレス・ミスだけに怖い。

 そのへんについては、どの職場でも注意を促してはいるのだろう。が、夏場特有のエラーによる被災はなかなか後を絶たない。端的な例が感電である。

 死亡災害事例を見ると、7月から9月にかけて集中的に発生しており、6割以上が200V以下の低電圧部分への不用意な接触によって起きている。背景には高温・多湿の気象状況と作業環境があって、暑さのあまり絶縁用保護具の使用を怠る、半袖の軽装になるため皮ふの露出が多くなる、作業者自身の発汗により皮ふの電気・接触抵抗が減少することなどのほか、暑さ負けして危険意識が希薄になることや電源の切り忘れ、ON・OFF状態に対する勘違いとかうっかりミスが、看過できない災害要因に挙げられている。

 エラー多発は感電だけに限ったことではなく、同様の誘因で発生する墜落・転落、挟まれ・巻き込まれ、交通事故なども少なからずある。今年も酷暑に耐える夏になったが、安全に作業する意識だけは冷ましつづけていたい。

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平成23年8月1日第2143号 掲載

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