【道しるべ】巨大震災禍 復旧支援と二次災害の防止を

2011.04.01 【社説】
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 1995年1月、想像を絶するとか未曾有のとかの形容だけでは足りない震災が阪神・淡路で発生し、人々を震撼させた。そのときの恐怖感は今も胸のうちに残る。

 それをさらに上回って、数日を経ても顔から強張りの消えない激烈で巨大な地震と津波が太平洋岸の東北・関東地方を襲った。どす黒く変色した海水が、文字通り怒涛のように沿岸地域に押し寄せて人家を呑み込み、車を撥ね流し、瞬時に被災地一帯の生活圏をなめ尽くして、跡形もないものにしてしまった。天災の暴威に住民はなすすべもなく、犠牲者は相当数に上ってなお増え続けている。最悪の事態を免れた人たちにしても、ライフラインの断絶、道路・流通網の機能マヒの中で、窮状きわまりない避難生活を強いられている。

 広域にわたる“1000年に一度”ともいわれる震災はまた、原子力発電所の想定外の事故によって首都圏にまで影響を及ぼし、計画停電という緊急措置が交通機関の運行に大混乱をもたらした。これから先、震災が産業活動と市民生活に及ぼす影響は計り知れないともいわれている。

 そうした大小さまざまな被害と困難に対し菅直人首相は「国民一丸となっての対処と支援を」と訴えたが、これは全国民が等しく肝に銘ずべきところだろう。一人ひとりが人・物・情報などの各面において出来うる支援を考え、被災地復旧に向けて惜しみなく力を貸し注ぐ――。マグニチュード9.0という世界最大級の災禍との遭遇は、我われ国民の共存・共生意識と行動力がいかほどのものであるかを問い、試してもいる。

 視点を被災地復旧作業に集中すれば、二次的な事故・災害の防止にも万全を期さなければならない。いうまでもなく震災後の諸工事は、作業要員不足、崩壊の危険性を抱えた建造物、残骸物の堆積、非定常的な作業の連続、第三者への災害波及等々、劣悪な環境条件の中で進められる。それと併せ、工事従事者の心身の疲労も懸念されてくる。すべてを非常時と捉えての対応が欠かせない。

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平成23年4月1日第2135号 掲載

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