解体現場の墜落事故で建設業者を送検 禁止業務に派遣された労働者が被災 福岡中央労基署

2019.07.01 【送検記事】
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 福岡中央労働基準監督署は、ビルの解体工事中に労働者が墜落し死亡した労働災害で、建設業者と同社の職長を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで福岡地検に書類送検した。

 労災は平成29年2月21日に、同社が解体工事を請け負う同県博多区内の雑居ビルで発生した。45歳の男性労働者がガスバーナーで鉄骨の溶断作業をしていたところ、ビルの5階から墜落した。労働者は救急搬送されたが同日死亡が確認された。

 労働安全衛生法では、高さ2メートル以上の作業床の端など、墜落の危険がある場所で作業をさせる場合、囲い、手すりなどを設けなければならないと定めている。囲いなどを設けるのが著しく困難なときは安全帯の使用が認められる。

 解体工事現場は囲いなどを設けるのが著しく困難な場合に当たっていた。同社の職長は労働者に安全帯を使用させる必要があったが、それを怠っていた。被災労働者は腰に安全帯を装着していたが、どこにも引っ掛けずに作業していたという。

 被災労働者は同県糟屋郡にある別会社の労働者であったが、同社の職長が指揮命令を行っており、実態は労働者派遣だった。労働者派遣法の読み替え規定を適用し、派遣先事業者として同社と職長を送検している。

 建設業務への労働者派遣は労働者派遣法により禁止されている。違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。今年2月には、青森県むつ警察署が、青森労働局からの告発を受け、建設業務への派遣を行った事業主を禁止業務派遣により送検している。こちらの事案も解体工事現場で墜落事故が起きたもので、福岡労働局でも対応を検討しているものと考えられる。

【令和元年6月10日送検】

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