【主張】JAMの技能伝承事業に敬意を

2012.02.27 【社説】
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 かつては輸出製品の花形ともてはやされた日本のテレビ製造各社が、韓国のサムスン・LGの両社に大きく水を開けられ、モノづくり大国の斜陽化が一般紙を賑わせている。悲観された各位は、本紙で紹介した「熟練技能継承事業」の記事をぜひご覧いただきたい(2月6日号6面)。底固くモノづくりの伝統が息吹いていることをご理解いただけるだろう。

 企業が音頭を取っているのではなく、労働組合が技能継承の主役となることなど、世界広しといえども、さすがモノづくり大国の日本ならではのことと刮目に値しよう。金属機械系の中小労組で作る産業別組織・JAM(眞中行雄会長)がそれである。

 記事によれば、厚生労働省が外部に委託して行っていた「熟練技能人材登録・活用事業」が、平成21年度に財政健全化の一環として廃止されたことに危機感を抱いたJAMは、モノづくり大国の基盤を揺るがしかねない結論であるとし、事業の存続を国に要請した。自動車や電機など大手金属機械系メーカーのケイレツ下に位置していることからこその、行動に移せる判断であったといえよう。

 この判断に間違いはなかった。例の事業仕分けの一環からなのか予算規模を大幅に縮小されたものの、今年度からJAMが手掛けた事業は、見事に開花している。

 組合員が持つ熟練技能を組織の内外を問わずに伝えていくことをモットーに、まずは工業高校の生徒への技能伝授に挑戦。埼玉・岐阜・大阪における対象校の技能検定合格率を前年度比10ポイントアップして上々の滑り出し。次いで熟練技能者によるJAM組合員の技能検定2級合格に焦点を移し、経営側から絶大な評価を得ている、という。

 国内産業の空洞化への危機感打開という輸出産業固有の側面もあるだろうが、海外進出を指をくわえてみているだけではなく、厳しい環境変化に対し、敢然と向かっていくJAMの行動は、全経営者・労働者が共有すべき姿勢だ。経営に対する「要求」というネガティブな対応を捨て、参加型の協調方法を示したJAMを称えたい。

平成24年2月27日第2862号2面 掲載

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