心の問題にも理解深める/よしだ社会保険労務士事務所 所長 吉田 悦子

2019.01.20 【社労士プラザ】
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よしだ社会保険労務士事務所 所長 吉田 悦子 氏

 私は、社労士会総合労働相談所のほか、NPOや個人でも労働相談を受けており、比較的労働者からの相談を受けることが多い。

 最近よく目につくのは、労働者がうつ等のメンタル不調を患っていることで企業の人事・経営者との意思疎通がうまくいかず、さらに問題が悪化しているケースである。たとえば、傷病手当金の支給申請や休職後の職場復帰プログラムについて、本来なら社内で話し合い問題解決をしていくべきところ、人事の対応に疑心暗鬼となってしまい、あえて「外部機関」である我われの元へ相談に来るのだ。

 その上、うつ状態等でメンタル不調に陥っている場合は、通常であれば難なくこなせることが難しくなる。今までのように仕事をこなすことも難しくなるためミスを指摘されることが多くなり、職場の人間関係を保ちつつ自分の主張をすることも困難となるため、人を避けたり意見を聞かなくなったりする場合がある。そうすると、職場の人間関係は悪化し、さらなるストレスを受け続けることで病状も悪化、結果として休職の延長や退職に追い込まれかねないこととなる。

 メンタル不調は当初の見た目では分かりにくく、周囲の理解や援助を受けづらい。そして、本人も「自分の不調は気の持ちようかもしれない」「気分がすぐれないが頑張ればなんとか乗り切れるかもしれない」などと考えて我慢してしまい、耐えきれなくなった頃には、すぐに専門医の治療が必要な状態まで悪化してしまっているのである。

 従業員が健康であり、自分の職務への誇りや熱意を持つことが、企業の労働生産性を上げることに大いにつながるのではないだろうか。そのためにも我われ社労士が、労働者の健康管理、労使間のコミュニケーションの架け橋となる等、多くの活躍の場を求められていると考えている。

 社労士が、「ヒト・モノ・カネ」のうち「ヒト」の専門家であるならば、労使トラブルを法的な杓子定規だけで捉えるのではなく、人間だからこそ起こり得るこころの問題、身体の問題についても理解を深めていきたいところである。

 さらには今後、働き方改革として行われる労働関係諸法令の一括改正には、産業医・産業保健機能の強化も含まれる。病気の治療と仕事の両立支援についても強化されていく予定である。今後幅広い機会で、社労士と様ざまな専門家との連携が必要となってくるのだ。そのため、社労士が、労働関係諸法令の知識を深めることのほか、医療や心理学等の知識を持つことについても、今後役立っていくのではないかと考えている。

よしだ社会保険労務士事務所 所長 吉田 悦子【千葉】

【公式webサイトはこちら】
https://www.roudousoudan-yoshida.com/

平成31年1月21日第3193号10面 掲載

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