【主張】致し方ない外国人受入れ

2018.07.13 【社説】

 経済財政諮問会議が作成した「経済財政運営と改革の基本方針2018」で、外国人材の受入れ拡大を打ち出している。一定の専門性・技能を有する即戦力人材を、人手不足が厳しい業種に限り5年を上限に受け入れる新たな在留資格を創設するとした。

 労働人口が急速に減少するなか、致し方ない対応だが、法務省・厚生労働省の連携強化による不法・偽装滞在の防止と労働条件の維持、日常生活への十分な配慮を行って、社会不安を増幅させないよう求めたい。

 同基本方針によると、対象は女性・高齢者の就業促進、処遇改善を行ってもなお外国人材の受入れが必要と認められる人手不足業種に限るとしている。移民政策と異なり、家族の帯同を基本的に認めず、しかも滞在期間に上限を設ける考えだ。

 報道では、農業、介護、建設、宿泊、造船の5業種が想定され、25年ごろまでに50万人超の受入れが見込まれるという。実現すれば日本で働く外国人労働者が、4割増えると推計している。

 建設業の実態をみると、25年における技能労働者は、需要見込み333~379万人に対し、供給見込みは286万人に留まり、その需給ギャップは47~93万人に達する。介護分野においては、17年の有効求人数258万人に対し、有効求職者数は72万人と少なく、有効求人倍率は3.57倍にも及んでいる。

 人手不足業種が今後も健全な形で維持、成長していくためには、現行の「専門的・技術的分野」を超えた外国人材に頼るほかはなく、限定的受入れを許容せざるを得ないであろう。技能実習修了(3年)との関係では、必要な技能・日本語水準を満たしているものとして、試験などを免除する意向である。

 世界的に移民政策が問題視される傾向が強まっており、わが国としても家族帯同による受入れは困難であろう。しかし、外国人材に頼りたい業種をこのまま放置できないのも事実である。間違っても安価な労働力と捉えて、劣悪な労働条件を押し付けてはならない。この点だけは、強く念を押したい。

掲載 : 労働新聞 平成30年7月16日第3169号2面

あわせて読みたい

ページトップ