【ひのみやぐら】近隣住民に配慮した運転を

2016.04.22 【社説】

 縁あって年に1、2度は宮城・気仙沼市を訪れる。いうまでもないが彼の地は、東日本大震災の被災地。今も復興工事が急ピッチで行われている。首都圏で生活しているとピンとこないかもしれないが、地方というのは幹線道路が本当に少ない。南三陸地方の大動脈は国道45号線と呼ばれる道路で、ここに交通が集中するが、当然工事車両も使うことになる。復興工事が始まって以来、土砂などを運ぶ大型ダンプが行列のように走るようになった。

 大型ダンプが連なって走行する姿は、復興工事が本格的に取り組まれている〝証し〟として頼もしさを感じるのだが、一方で心配されるのが交通事故だ。工事現場のゲート付近は、大型ダンプの通行に注意が必要なのはもちろん、走行は特に気を使う。普通に乗用車を運転しているときでも、前後をトラックにはさまれると心理的に圧迫を感じ不安な気持ちになる。

 東京都内や首都圏に目を移すと現在、五輪関連工事、再開発などで工事量が増えている。地方は比較的、歩行者や自転車が少ないが、首都圏はそうはいかない。住宅街や学校などの生活環境と、より密着した場所に工事現場は存在する。近隣住民への配慮が至上命題なのはいうまでもない。

 今号、特集で紹介する東京外環自動車道市川中工事は、大型ダンプの交通事故防止対策に力を入れている。例えば「運行ルートハザードマップ」を作成した。運行ルートが書かれた地図上に気をつけるべきポイントやルールを示したものだ。運転者に分かりやすいよう写真を掲載し、ルート上の情報は随時更新される。さらに、ダンプの後ろを抜き打ちで追う「追跡調査」を実施。JV社員が、運行ルートや走行ルートの順守状況を確認するという念の入れようだ。

 この結果、同現場で教育を受けた運転者はマナーがよいと評価されるようになったという。
近隣住民にとって、工事現場の一番近い位置にいるのが大型ダンプをはじめとする工事関係車両といえるだろう。大型ダンプの運転マナーをとおして、近隣住民は工事現場の安全をチェックしているといっても過言ではない。

掲載 : 安全スタッフ 平成28年5月1日 第2257号9頁

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