【ひのみやぐら】よい仕事はよい睡眠から

2018.04.09 【社説】

 春眠暁を覚えず――暖かい季節となって、職場でついウトウトとしてはいないだろうか。1日に必要とされる睡眠時間は、年齢によって異なるものの7~8時間とされている。実に人生の約3分の1を占めることとなるが、わが国で働く人たちは、これほどの時間を確保できているだろうか。

 長時間労働が社会問題となって数年以上経つ。長期間にわたる深夜にまで及ぶ業務は睡眠不足を引き起こし、うつ病になるリスクが高まると指摘されている。うつ病にならないまでも、仕事のパフォーマンスは確実に低下する。

 うつ病だけではなく、眠気による不安全行動で労働災害のリスクも懸念される。建設業では、メンタルヘルス対策を本格化させており、効果的手法として「健康KY」の実施を推奨している。問いかけのひとつに「よく眠れたか?」と聞き、心身の健康状態を把握。体調面で気になる人がいた場合は「睡眠スコア:IS(インソムニアスコア)」を実施し、結果に応じて相談機関へ連絡を行うなど睡眠不足や疲労への早期対応を図っている。

 人間は元来が夜行性ではなく、日中に活動する生き物。夜遅くまで仕事をするのには、もともと向いているはずがない。よい作業、結果のでる仕事をするには日中の生活の質を高める必要がある。そのためには、睡眠の質を高めることが必要であり、眠るための時間を確保するためにも、長時間労働に至らない労働環境を構築することが求められる。「働き方改革」は待ったなしの状態といえよう。なお、交代制の勤務や夜間の仕事に従事する人の健康管理を怠ってはならないのは、いうまでもない。

 今号、特集2では、(一社)日本栄養睡眠改善協会の古賀晶子代表理事に睡眠不足が心身に及ぼす影響と睡眠改善のコツを解説していただいた。古賀代表理事は、眠った時間を記録する「睡眠日誌」を活用し「見える化」することで、意識を強く持つことが改善につながるとアドバイスしている。

 成果の出る業務、労働災害のない仕事をするためにも、睡眠をもっと意識してはいかがか。

掲載 : 安全スタッフ 平成30年4月15日第2304号

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