キャリアコンサルの効用/福岡労務経営事務所 鎌倉 美知子

2018.03.04 【社労士プラザ】
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福岡労務経営事務所
 鎌倉 美知子 氏

 キャリアコンサルタントは平成28年4月から国家資格となった。

 少子高齢化や年金問題など課題が山積みの今、国はキャリアコンサルティングの効果に期待し、推進していきたいということだろう。

 人生100年時代。国民一人ひとりが自分のキャリアをみつめ、学び、成長し、どんな状況にあっても、変化に対応できる能力を身に付けることが重要である。

 キャリアコンサルティングを受けることにより、自分のキャリアにじっくりと向き合い、キャリア形成の戦略を立てることができ、また、一人で考えるよりも視野が広がり、短時間で効果的に中長期目標を立てることが可能である。

 厚生労働省の平成28年労働安全衛生調査によると、59.5%の労働者が現在の仕事等で強いストレスを感じており、その原因の1位が仕事の質・量となっている。

 あちこちで人材不足が叫ばれる今、担当業務の偏り等により、過剰な負担が続くことのないよう、ストレスとなっている状況に早めに気付いてあげることが必要だろう。また、退社の原因を把握し、今いる従業員の育成・定着に力を注ぐことが急務である。

 キャリアコンサルタントとして、30社を超える企業で、従業員の生の声をお聞きしたが、うつやパニック障害などの精神疾患や睡眠障害などにより通院している方の活力のない様子を目の当たりにし、危機感を感じた。

 「能力を最大限に発揮できていない現状は、もったいない。このまま放っておいたのでは、企業は発展しない」と強く感じている。

 すべての従業員が生き生きと能力を発揮する――この先に組織の永続的発展があると思うのである。

 キャリアコンサルティングは、一度実施して終わりではない。キャリアコンサルティングで明らかになった「個人の課題/組織の課題」をキャリアコンサルタント、社会保険労務士、研修講師、会社……皆が一丸となって、課題解決に向け継続的に協力していくことが重要である。

 厚生労働省の平成28年度能力開発基本調査によると、キャリアコンサルティングを受けた労働者の約9割が役に立った(例:仕事に対する意識が高まった、自分のめざすべきキャリアが明確になったなど)と回答している。

 自律した従業員が生き生きと能力を発揮する会社をめざし、キャリアコンサルティング制度を導入されてみてはいかがだろうか。

福岡労務経営事務所 鎌倉 美知子【奈良】

【公式Webサイトはこちら】
http://www.fukuoka-roumu.com/

平成30年3月5日第3151号10面 掲載

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