【主張】消費税増税には頼れない

2018.02.19 【社説】
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 アメリカなどの研究機関によると、日本では2007年に生まれた子供の約半数が107歳より長く生きると推計している。少子化への対応が大幅に遅れてしまった過去の経験を反省材料とし、今から超長寿社会への準備をしておかなければならない。

 このほど政府が閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」は、教育の無償化、人づくり革命の実施、介護人材の確保、安定財源の準備などについて言及しているが、問題が少なくない。とくに、安定財源の確保策として来年に予定している消費増税に大きく頼っている点に懸念を表明せざるを得ない。

 人生100年時代を乗り切るには、成長戦略を前提としたパイの拡大が大前提である。リカレント教育や教育改革などの人づくり革命と生産性向上が重要としている点は認めるが、施策の財源を消費増税に求めている。「消費税率2%の引上げにより5兆円強の税収となるが、この増税分を教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保などと財政再建とにおおむね半分ずつ充当する」と明言しているのである。

 しかも、プライマリーバランスの黒字化目標を堅持し、財政健全化の旗は決して降ろさないとしており、先が思いやられる。成長戦略を最優先としなければ、超長寿社会に対処するのは無理といえる。成長戦略を達成し、パイの拡大を図って初めて財源確保が可能となるのである。

 人づくり革命と技術革新により生産性向上を図り、経済成長を拡大していくことこそが大切なのに、消費増税に頼っていては少ないパイの取り合いとなろう。社会保障費が激増しかねない超長寿社会を目前にして、消費税増税により経済成長が抑制されてしまうのは認め難い。

 政策パッケージでは、「ツケを未来の世代に回すようなことがあってはならない」とも訴えているが、これはもっともな主張である。ツケを後に回さないためにも、消費増税に頼らない財源を確保し、今から十分な対処策を実行に移していく必要がある。財政健全化の強行も未来世代にとって脅威となり得る。

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平成30年2月19日第3149号2面 掲載

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