【主張】今春こそ最大の賃上げを

2019.01.17 【社説】
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 本紙が賃金問題の解説をお願いしている人事コンサルタントによると、2019年の春季労使交渉における賃上げ率を2%超と予測している(本紙1月14日号1面に詳細)。実現すれば6年連続で2%超の賃上げとなり、大手企業労働者の賃金水準は急速に高まっていることになる。

 一方、消費税増税に加え、2020年までにはアメリカや中国をはじめとする世界経済が減速するとの見方が主流となってきた。わが国としては、景気後退によるダメージを最小限に抑えるため、これまでの賃上げ拡大の流れを維持する必要がある。国内総生産(GDP)の相対的劣化を防ぐためにも、大手企業は今年こそ3%に近い賃上げを実現すべきである。

 人事コンサルタントの菊谷寛之代表は、19年の賃上げ予測を「2.3%+α」とした。同じく赤津雅彦代表は「2%超は期待できよう」と述べている。厚生労働省の2018年度の賃上げ状況調査によると、平均妥結額は7033円で、前年(6570円)に比べ463円増加。賃上げ率は2.26%で、同0.15ポイント上回った。両氏の賃上げ予想どおりとなれば、6年連続で賃上げ率2%を超えることになる。大手企業労働者の賃金水準に限れば、近年にない高まりは否定し得ない。統計上の雇用者報酬も明らかに上昇している。しかし、今後予定される消費税増税や世界経済の減速を前にすると、十分とはいえない。未だに個人消費拡大は望めず、インフレ率の低迷が続き、デフレ傾向を脱し切れていないのが現実だ。このまま経済が減速すると、再び水面下に没してしまう。

 大手企業は、東京五輪の終了後をも見据え、今年の賃上げから最大限の力を投入し、全体をけん引する役目を果たしてもらいたい。2%超といわず、今年こそ3%をめざす賃上げ原資を準備すべきである。それだけの余力はあるはずだ。政府も賃上げに向けた企業への要請を再度積極化してほしい。

 「失われた20年」をようやく振り切ったのに、またすぐ逆戻りは困る。アクセルを全開にし、日本経済の潜在力を高めておきたい。

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平成31年1月21日第3193号2面 掲載

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