行動変革促す制度づくり/池脇行政書士法人 中田 具亨

2017.12.10 【社労士プラザ】

池脇行政書士法人
中田 具亨 氏

 私は日ごろ、企業における人事評価制度や賃金制度などの「人事制度」構築の支援を行っている。その際に最も留意していることは、いかにして従業員一人ひとりに対して行動の変革を促す制度とするかということだ。

 そもそも人事制度は、「人材づくり」を通して、組織が未来に向かって経営理念を追い求めることを支援するための経営施策であると考えている。

 したがって、人事制度を構築する前にまず検討すべきは、組織の根幹をなす中長期の経営ビジョンや経営戦略、さらに商品・サービス、組織構造に関する組織目標だ。それらを検討して初めて、今後の組織に必要となる人材像を想定することができ、人材づくりを行うことが可能となる。

 それでは、実際に人事制度を構築する際に経営者が実践すべきことは何だろうか。

 まず経営者は、従業員に対して夢やロマンのある将来展望を提示し、従業員自身が自分の人生のあり方を真剣に考える機会を与えなければならない。

 また、組織において一人ひとりが成し遂げるべきことと、そのための道筋を示さなければならない。それにより、自分に今求められていることは何か、到達すべきゴールはどこか、それに向けて現在と将来に向かってなすべきことは何かを真剣に考えてもらう必要がある。

 その上で、「この仕事はなぜ、何のために行うのか」という業務の本来的な目的を提示しなければならない。従業員には、目の前の仕事をただこなすのみではなく、達成すべき目的を常に念頭に置き、そのために何が必要なのかを常時思考してもらわなければならない。

 経営者には人事制度を通じて自らの考えや想いを伝え、従業員の心を揺り動かし、自助努力を促すことが求められる。

 それが、冒頭述べた従業員一人ひとりの行動の変革として現れ、組織自体を変えていくことにつながる。

 つまり、人事制度は単なる「仕組み」として構築されるのではなく、経営者と従業員の「コミュニケーション手段」として成立させなければならない。

 私は、組織が社会から必要とされ続けるために、そして従業員が自らの意志によって組織に貢献し、幸せを追求できるように、それぞれの組織に応じた人事制度のあり方を考え続けることを使命として、今後も業務に邁進していきたいと考えている。

池脇行政書士法人 中田 具亨【北海道】

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掲載 : 労働新聞 平成29年12月11日第3140号10面

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