風通しのよい職場づくりを/㈱高橋賃金システム研究所/多摩労務管理事務所 奥林 美智子

2015.07.06 【社労士プラザ】
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㈱高橋賃金システム研究所/多摩労務管理事務所
奥林 美智子 氏

 近年、クライアント企業の人事担当者から若手が定着しない悩みをよく伺う。厚生労働省職業安定業務統計によると、平成26年度の大学卒業者の就職率は96.7%(平成27年4月1日現在)と雇用状況は明るい数字がみられる一方で、新規学卒者の卒業後3年以内の離職率は大学32.4%、高校39.6%と3割を超える(いずれも平成23年3月卒業者)。「3年で3割」退職問題は企業にとって頭の痛い課題であろう。

 なぜ辞めるのだろうか。厚生労働省「平成25年若年者雇用実態調査」によると、初めて勤務した会社を辞めた理由は、「労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった」が22.2%、「人間関係が良くなかった」が19.6%、「仕事が自分に合わない」が18.8%の順となっている。特に女性では「人間関係が良くなかった」が22.8%でトップに挙げられている。

 人間関係が良くない理由は様ざまだろうが、気にかかるデータがある。「パワハラを受けたことがある」割合25.3%に対し、「パワハラをしたと感じたり、パワハラをしたと指摘されたことがある」割合は7.3%に留まっている(平成24年度厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」)。パワハラを受けた人の3分の1しかパワハラをした意識のある人がいないという無意識の言動が相手を傷つけている現状を、企業・管理職は意識するべきだろう。

 「最近の若者は忍耐がない」など若者のせいにしてみたところで解決にはならない。部下に対して必要な指導を怠ることなく、その指導が「人格」を責めていないか、指導者は感情をコントロールできているか、何より日頃からコミュニケーションがとれているか、見直してみる必要があるのではないだろうか。

 今年12月にはストレスチェック制度も導入される。企業全体で風通しの良い職場づくりをすることは労働力人口減少の未来において企業の生き残りにかかわるといってもいい過ぎではないだろう。

 弊社は1961年開業、多摩地区を中心とした労務管理事務所として50年以上の歴史を持ち、現在約20人のスタッフで企業の人事労務管理業務に携わっている。「人事から経営を支援する」をコンセプトに今後も顧客様の発展に寄与していきたい。

社会保険労務士事務所おくばやし労務サポート 奥林 美智子【東京】

【公式webサイトはこちら】
http://tomarutax.jp/establish/

※タイトルの社名は連載時のものです。

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    平成27年7月6日第3023号10面 掲載

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