ES経営のための人事制度/福西社会保険労務士事務所 代表 福西 綾美

2013.01.14 【社労士プラザ】

福西社会保険労務士事務所 代表
福西 綾美 氏

 これからの時代に求められる人事制度(資格等級制度、人事評価制度)は、社員満足を基盤とするES経営に根ざすものだと考えている。会社を信用できなければ、全力で能力を発揮することが困難になるであろうし、安心して働くことができない。制度の運用が可視化できる透明性、信頼性、公平性を打ち出すことで、安心して働く職場環境が実現できる。

 業績アップと事業の存続が会社の幸せであるとすれば、社員の幸せは、会社が自己実現の場となることである。社長の経営意思は尊いものだが、社員個々の人生に対する思いも尊い。人事制度は両者をつなぎ合わせる役割を担っている。しかし、制度を導入しただけでは、社員がこの会社で働けて幸せだと思い、組織全体がまとまり業績が上がるわけではない。

 機能する人事制度は、経営理念や経営方針がすべての始まりとなる。会社の経営姿勢を明確にすることで、組織の方向性が定まる。経営目標を達成するためにとるべき行動を社員自らが考える。主体性のある行動目標は、納得性が高く力強いものとなる。また、自発的な力を促してモチベーションを刺激するために、社員参加型のプロジェクト方式で制度を構築することも必要であろう。

 資格等級制度は、社員が成長するステップを示すものである。今の自分がどの段階にいるのかを知り、次の段階に上がるために、何をすればよいのかを知ることができる。一方、人事評価制度は、抽象的な評価項目を使って採点するのではなく、具体的な行動に対して達成したか否かを示す。相対評価や評価者による基準のバラツキが生じない制度をつくる必要がある。

 私たち社労士は、労務や賃金などの知識を知恵に変えて、組織づくりのための人事制度の構築を行うことができる。

 何があってもビクともしない経営をめざしてほしい。経営理念に基づく目標の達成に向かって、自律的に行動する社員が育つ仕組みを浸透させたい。働くことを通じて社員の夢を実現させ、会社の経営目標を達成してほしい。

 会社と社員が信頼し合える関係性のなかで、ES経営に根ざした職業人生の未来を示すロードマップとしての人事制度の構築に今後も尽力したい。

ソフィアステージ社労士事務所 代表 福西 綾美【大阪】

【公式webサイトはこちら】
http://fukunishi-sr.com/

※タイトルの社名は連載時のものです。

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掲載 : 労働新聞 平成25年1月14日第2904号10面

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