「自問自答」の大切さ/社会保険労務士水戸事務所 水戸 伸朗

2014.04.21 【社労士プラザ】
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社会保険労務士水戸事務所
水戸 伸朗 氏

 私はもともと社労士を志していたわけではなかった。縁あって、今は亡き恩師の事務所に勤務したことが、社労士になるきっかけだった。あれから早二十数年。それなりに様ざまな業務を経験してきたつもりだが、いまだに初めて取り扱う事案も少なくない。

 私は、開業当初から中小企業の手続き代行業務を中心としてきたが、最近になって比較的規模の大きな企業との相談顧問契約もポツリポツリと増えてきた。周りの社労士の話を聞いても、そうしたオファーは増えてきているようだ。喜ばしいことである。しかし、こうした企業の人事労務担当者は実によく勉強しておられるので、相談される内容も高度なものが多い。

 社労士が取り扱う諸法令は、優に50を超えるうえ、法改正も頻繁に行われる。行政通達や、判例なども常にチェックしておかねばならない。そのため、断捨離の苦手な私の事務所は、大量の本や資料であふれかえることとなる。常々どこに何が書いてあるかぐらいは把握しておきたいと思うが、分からない問題にぶつかり、あれこれと本をひっくり返し、ネットでの検索やあちらこちらへの問い合わせで一日が終わってしまうこともしばしばだ。

 社労士になりたてのころは、関与先からの質問に対し「その件なら、確か法的にも問題ないはず。たぶん大丈夫でしょう」などと軽々しく口走り、後になって間違いに気付き、冷や汗をかくということも間々あった。即答しないと「社労士のくせにそんなことも知らないのか」と思われるのが恥ずかしかったのだ。今は、知ったかぶりをせず、多少時間がかかっても、「その件については確認し、後でご連絡します」と答えるよう心がけている。社労士にとって「たぶん」という言葉は「タブー」だ。

 長い間同じ仕事をしていると、経験は力となるが、慣れという落とし穴に陥ることもある。過去に取り扱った事案と似たような相談を受けたとき、状況や法律が変わっているにもかかわらず、つい、経験則だけで判断してしまうことがある。この場合は、自分の間違いになかなか気付けない。「待てよ、本当にこれで良いのか?」と自問自答することの大切さを実感する今日このごろである。

社会保険労務士水戸事務所 水戸 伸朗【新潟】

【連絡先はこちら】
新潟市西区小針が丘2-35水戸ビル2F
TEL025-230-5676

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    平成26年4月21日第2965号10面 掲載

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