【主張】非常識投稿写真の徹底的追及を

2013.09.16 【主張】
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 職業人として、いや社会人のひとりとして、まったく理解できない現象がある。ツイッターなどのネットに投稿され、大炎上している「非常識写真」のことである。コンビニ店員が販売用冷凍庫に入ってみせたり、ラーメン屋の店員が食材をクチいっぱいに頬ばりつつ備品窃盗を自慢したりする、とんでもない行為をし、連日ネットが炎上するという報道が続いている。

 専門家によると、こうした事例は、ブログが一般化した10年ほど前から日常的に生じていたという。現在報道されている悪戯は、過去に投稿された個人情報の断片が集められて再登場しているものも多いらしい。

 加害者はいずれも非正規社員らしく、店員といってもアルバイトがほとんど。小遣い稼ぎの腰掛け的な就労だから、ついでに悪乗りしたということのようだが、度を超している。職業倫理観がかけらでもあれば、こういうバカげた行動には走らないだろう。被害企業は、事実説明、処分報告、再発防止を迅速に行っているが、過去の事例まで追及して時効前のものはすべて損害賠償請求をしてほしい。

 気の毒なのは、こういう輩と年収200万円以下で働くワーキングプアが同一視されている懸念が感じられることである。完全な錯誤であって、彼らが加害者であることは、決してなかろう。ワーキングプア層は、1100万人に上っている。11年7月にまとめた連合の「生活・意識調査」によると「仕事が大変である」(26.2%)と「どちらかといえば大変」(53.4%)を加えると8割に上り、こんな浅薄なことをする暇はない。

 連合の解説では、週4.8日、1日7時間労働とほぼ正社員並みに働いているにもかかわらず、結果的にその頑張りが賃金に反映されず、ワーキングプアが、いわゆる「ハード・ワーキングプア」へと深刻化しているという。食費は1食当たり256円程度という結果もあり、そんな中で、罰当たりな行為を続ける同年輩バイトをどうみるか、答えは明らかだろう。アベノミクスは1100万人に上る彼らを救えるか。喫緊の課題である。

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平成25年9月16日第2937号2面 掲載

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