【主張】クーリング期間無いものと思え

2012.05.21 【主張】
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 労働者派遣法では、派遣可能期間について、専門26業務については制限がなく、それ以外の自由化業務については最長3年まで延長できることになっている。派遣可能期間を超えて派遣労働者を使用する場合は、派遣先は「直接雇用契約の申込義務」が発生するが、これを逃れようと「クーリング期間を使用し、派遣契約期間のリセットを試みる脱法行為」がめだっている。

 クーリング期間という文言は、法規定には登場せず「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の規定14の(3)にある「派遣終了後、次に派遣を受け入れるまでの期間が3月以下の場合には、その期間は継続したものとみなす」を根拠としたもの。製造業務への派遣が解禁されたのは06年3月、07年3月には他の自由化業務と同じく最長3年まで延長され、ここで直接雇用義務の適用を受ける「09年問題」が発生した。派遣労働者の「常用代替」が進んでいることから、クーリング期間(3カ月+1日)以上、直接雇用し、その後派遣労働者に戻すという偽装行為が横行している。

 厚生労働省では「いわゆる2009年問題への対応について」という通達(平20・9・26職発第0926001号)を発出して、警告している。

 「継続して役務の提供を受けているかどうかは、提供を受けていた派遣先が、労働者派遣の終了と新たな派遣の開始の間の期間(クーリング期間)が3カ月を超えているか否かで判断しているところであるが、単に3カ月を超えていれば新たに当該業務に労働者派遣の役務の提供を受けることとすることは、労働者派遣法の趣旨に反する」。

 「このため、労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が、派遣可能期間を超えても、なお、同一の業務を処理する必要がある場合には、基本的にはクーリング期間経過後再度の派遣受入れを予定することなく、指揮命令が必要な場合は直接雇用に、指揮命令が必要でない場合は請負によることとすべきものであること」と明確にリセット派遣を否定しているので、クーリング期間は無いものと思うのが派遣労働者活用の常道と考えるがどうだろうか。

平成24年5月21日第2873号2面 掲載

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