【主張】派遣法改正の早期決着を

2014.11.10 【社説】

 審議会で検討を重ねた労働者派遣法改正案で、与野党が全面対立の様相を呈してきた。開催中の臨時国会で成立するかどうか、ギリギリの駆け引きが行われているが、外部からみると、労働法の改正が再び政争の具となっていることを嘆かざるを得ない。

 改正するのかしないのか、はっきりしない状態が長引くと、業界に与える影響は大きい。今回は、中途半端な状態に陥ることのないよう開催中の臨時国会で決着をつけてもらいたい。

 前回改正では、まさに業界や労働者を巻き込む混乱を招いた経緯がある。平成24年3月に成立した現行の改正派遣法は、それまでの約2年間にわたり宙に浮いた状態が続いた。法案提出から7回にわたり継続審議の綱渡り状態が続き、成立したのは「ねじれ国会」の解消後だった。

 当初、製造業務派遣の原則禁止を含む派遣法改正が成立すると考えられたことから、派遣契約を解約して請負へ切り替えるなどの派遣事業主の動きが活発化した。これによって派遣労働の活用実績は大きく後退し、結果として業界が委縮する方向に向かわざるを得なかった。

 しかし、成立した改正派遣法(現行派遣法)は、「製造業務派遣」と「登録型派遣」の原則禁止部分がともに削除され、業界が慌てて請負転換を図ったことが、まったくの空振りとなった。2年間続いた継続審議は、経済社会に停滞とダメージを与えたに過ぎなかった。

 現在は「ねじれ国会」ではないが、派遣法改正が与野党対立法案と位置付けられ、攻防の舞台となっているのは変わらない。野党は、廃案に追い込もうと攻勢を強めている。与党は、相次ぐ閣僚のスキャンダルやアベノミクスの停滞で、弱気ムードが漂い始めた。

 今年の通常国会で廃案となった派遣法改正案が、臨時国会でまた決まらないことになれば、前回改正時の混乱が頭をよぎる。もちろん審議は十分尽くす必要はあるが、再び時間切れ継続審議や廃案にしてはならない。派遣法をこれ以上、政争の具にしてほしくない。

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掲載 : 労働新聞 平成26年11月10日第2992号2面

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