【主張】派遣法に係る経団連提言に賛意

2013.08.26 【社説】

 現行の改正労働者派遣法は労使双方から「悪評」が出ている。それが影響したわけではないが、厚生労働省の労働政策審議会では、今秋から労働者派遣制度の見直しを審議予定に組んでいる。このほど経団連が提起した「今後の労働者派遣制度のあり方について」は、かなり突っ込んだ指摘があり、注目されている。見直しに当たっての視点は「ことさら負の側面ばかりに着目するのではなく、派遣という働き方を自ら望む労働者が多くいることや、必要な労働力を迅速に確保したいという企業側の双方に強いニーズがあることを十分踏まえるべきである」と釘を指し、踏み込んだ提言となっている。改正派遣法が経営側の意を汲んだものではなかっただけに、その反動といえるが、内容は納得できる具体性が十分窺え、耳を貸す必要が感じられるものとなった。

 例えば、政令26業務(実際には28業務だがあえて通称を用いている)か自由化業務なのかをめぐって、労働局と派遣元・派遣先で見解に齟齬が生じることが多く、混乱がみられるとし、その要因を挙げた。「26業務に含まれないその他の業務を付随的に併せて行う場合の1割規制について付随的業務に該当するのかどうか判断が難しい」問題がそれだ。そんな規制を順守するのは不可能に近い、と本音を挙げ、「26業務については、本当に専門的な知識等が求められる業務に限定していくととともに、1割規制について見直すべき」と迫った。

 派遣労働者の特定行為の禁止は、技能審査等の名目で有名無実化しているが、これにも注文を付けた。「派遣労働者とは直接会わずに、派遣元が作成する『スキルリスト』を用いて、派遣先が自社の業務に必要な派遣社員の能力を把握し特定することは、実務上必要とされるものであり、特定行為に当たらない。しかし、このようなスキルリストも特定行為に該当するとの見解が行政から示されており、極めて問題である」。派遣労働者側からみても円滑なマッチングにつながり有益とされながら、規制ばかりで理解し難い状態に陥っている現行派遣法に噛みついた内容となった。

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掲載 : 労働新聞 平成25年8月26日第2934号2面

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