【主張】改正、即労契法見直し論議とは

2014.03.24 【社説】

 厚生労働省は、早々と開催中の国会に「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」を上程した(本紙1面参照)。周知のように、無期転換申込権を主な内容とする改正労働契約法は、昨年4月1日に施行されたばかりである。1年にも満たない時期に改正案が検討され、今通常国会での成立をめざす法案作成を急ぐとは、まことに奇妙な事態とはいえまいか。

 昨年、政府国家戦略特区ワーキンググループで、「日本の労働の流動性が低いことがイノベーション(技術革新)を妨げている」との声が上がったのがきっかけらしい。無期契約転換権が発生するのは、ご案内のとおり5年後という時点である。

 法案で挙げられた特例の対象になるのは、①高度な専門的知識等を有する有期契約労働者と②定年後引き続いて雇用される有期契約労働者の2例。有期労働契約の無期転換ルールの特例等について、という「報告書」では、「適切な雇用管理を行う企業のみに限定する」と釘をさしているが、昨年暮れに成立した「国家戦略特区法」の附則では、特例措置の検討が盛り込まれ、同時に大学などで働く非正規職員の無期転換時期を10年超に延長する「改正研究開発力強化法」が成立しており、外堀が埋まったなかの「法案」だから、当然のことながら、前記①が中心である。

 法案では、一定の期間内に完了する業務については、経済のグローバル化の進展などに伴う企業活動を取り巻く環境の変化を踏まえ、企業内の期間限定のプロジェクトの業務のうち、高度な専門的知識を必要とするなど、一定の範囲の業務と限定している。期間限定プロジェクトが完了するまでの期間は無期転換申込権が発生しない。ただし、その期間は10年が上限で、以降は、申込権の対象となる。

 要件は、平成15年の厚労省告示356号に定められた年収1075万円以上の技術者やシステムエンジニアなどを参考にするという。今後も目が離せない動きだが、有期労働者の雇用優先から外れない国会での審議を祈るばかりだ。

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掲載 : 労働新聞 平成26年3月24日第2962号2面

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