【主張】フレックスの行政解釈に不満か

2014.02.24 【社説】

 厚生労働省が、フレックスタイム制の規制緩和に向けた実態調査を行ったところ、「制度運用上、不便を感じたことがある」が、半数近く(48%)に上り、その具体的内容では「清算期間が短い」が94%と圧倒的に多かった。もっとも、「どの程度の期間が良いか」については、94%が「不明」と回答しており(本紙2月3日号1面参照)、もやもやしながらという感じだ。

 現行のフレックスタイム制について、安西愈弁護士は厚労省の解釈取扱いは、「不合理との批判が強い」と著書「採用から退職までの法律実務」(埼玉県経営者協会刊)のなかできっぱりいっている。

 「制度は、清算期間における総労働時間として定められた時間を労働するのが原則であるが、実際には総労働時間より多く労働し、あるいは少なく労働することがある。その場合、基本的には、各期間ごとに清算すべきだが、清算期間における実際の労働時間が総労働時間として定められた時間(以下総枠)を超えた場合、総枠として定められた時間分の賃金はその期間の賃金支払い日に支払うが、総枠を超えて労働した時間分を、次の清算期間の総枠の一部に繰り越して充当することは、その期間における労働の対価の一部がその期間の支払い日に支払われないことになり、法24条に違反するので許されない」「逆に清算期間における実際の労働時間が総枠より少なく不足した場合、総枠分の賃金はその期間の賃金支払い日に支払うが、それに達しない時間分(借り時間)を次の清算期間の総枠に加算して労働させることは、先払い分を労働時間で清算するものと考えられるから、法24条違反とはならない(昭63・1・1基発1号)としている」。

 要するに労働者が総枠に足らない場合、次の期間で清算しても構わないが、使用者が総枠を超えて労働させた場合は割増賃金の支払い義務があるのに、それを免れようとすることは許されない、という厚労省の行政解釈だ。なるほど使用者としては平等性を欠く、と思うのも当然かもしれない。ただ、フレックスタイム制も弾力的措置であり、あまり強欲をかくのもどうか。

掲載 : 労働新聞 平成26年2月24日第2958号2面

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