【主張】魔の3月月曜日が近付いている

2013.02.18 【社説】

 警察庁の発表(速報値)によると、昨年の自殺者数は2万7766人で、実に15年振りに3万人を切ったことが明らかになった。年間の自殺者数は、警察庁が統計を取り始めた昭和53年から平成9年までは、2万~2万5000人台で推移していたが、10年に初めて3万人を超え、高止まりの状態が続いていた。小欄もそしてほとんどの国民が、なぜ3万人という多くの方々が、自殺に向かわれたのか、そして「3万人」という区切りができ上がったのか、不思議に思っていた。対前年比9%減というから、少なくない数値である。なお、統計年度は一致していないが、WHOによると、世界第1位の長寿国わが日本の人口10万人当たりの自殺者数は、対象106カ国中第5位と不名誉な地位に甘んじている。

 厚生労働省「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が、警察庁の統計をもとに分析したところによると、月別にみるとこれまで3月が最も多かった。この傾向は、昨年も引き続き2584人で最も多く、5月2516人、4月2434人と続く。結果を重視し、3月を「自殺対策強化月間」とし、内閣府や厚生労働省、都道府県自治体などが、連携して対策を講じたものの特段の効果は出なかった。

 なお、曜日別にみると月曜日が最も多く、さらに月×曜日別でみると「3月の月曜日」が最多。3月に自殺が多くなる職業は「被用者・勤め人」と「自営業者家族従事者」である。厚生労働省は「今後の自殺防止のための5本柱」を掲げているが、その1つである有職者の自殺者の増加を重くみた「職場におけるメンタルヘルス対策・職場の復帰支援の充実」は、活発な企業活動に対し、本紙15面やニュース記事で紹介しているが、残念ながら、普遍的状況に至ってはいない。

 内閣府が01年と11年を比べたところによると、20歳未満は36人増の622人・20歳代は209人増の3304人・30歳代は833人増の4455人という結果が出ており、若年層は雇用環境の悪化がモロに響いている。魔の3月月曜日は近い。今年はぜひとも大過なく終わりたいものだ。

掲載 : 労働新聞 平成25年2月18日第2909号2面

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