安心して働ける職場へ/リバイバル労務サポート 所長 小林 誠

2021.06.27 【社労士プラザ】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

リバイバル労務サポート 所長 小林 誠 氏

 私の周りでは、人事や労務管理の実務を経験せずに、社会保険労務士として活躍する方が結構いる。私もその一人で、社会保険労務士になる前は、不動産営業を経て、不動産管理、そして、資格学校で働いていた。

 最初に勤めた不動産営業の会社では、毎月の時間外労働が150時間超(もちろん残業代は0円)に上り、1日の睡眠時間が平均3時間の生活を数年間続けていた。

 そんななか、居眠り運転による追突事故を1カ月間に2回起こして死にかけたことをきっかけに、「ここで働き続けていたら死んでしまう」と思って退職した。

 次の不動産管理の会社に入社したのは、ノルマに追われずに、もう無給で長時間労働をしたくないと考えたからだった。だが、日々発生するクレーム処理や緊急事態の対応によって、この会社も1カ月の時間外労働が100時間を超えていたうえに、残業代も支払われなかった。

 それでも何とか業務をこなしていたが、ある日、会社に出社したら取締役から「昨日、倒産を回避するために君らの事業部を別の会社に売った」と言われ、有無を言わさず退職になった。

 退職した際、不動産関係の資格を複数取得していたので、資格学校に就職することができた。これが最後の就職先になると思って入社したものの、結局のところ、ここが一番のブラック会社だったといえる。

 毎月の時間外労働は80時間超で残業代もなく、パワハラの横行によって、社員の半分はストレスで精神疾患や退職に追い込まれる状況だった。さらに、賃金カットと給料の遅配のダブルコンボという状況だった。

 しかし、この資格学校時代に社会保険労務士の試験に合格したことで、今まで経験してきた会社の異常さに初めて気付くことができたのは、今となっては良い思い出である。

 「安全・安心・安定して心から働ける快適な職場環境を作るお手伝いをさせていただく」というのが社会保険労務士としての私のモットーだが、私自身、今までそのモットーとは真逆の会社で働いていた。せめて、私がかかわる会社と、そこで働く人たちに対しては、私が経験したような辛い思いをさせないという気持ちが、頑張る原動力となっている。

 今となっては、社会保険労務士の経歴が一番長くなった。これからも、この社会保険労務士という職業を自分にとっての天職と考え、生涯現役で頑張っていきたい。

リバイバル労務サポート 所長 小林 誠【福岡】

【webサイトはこちら】
http://www.revival-labor.com/

令和3年7月5日第3311号10面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。