【主張】雇止め多発に警戒強まる

2017.03.06 【社説】
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 厚生労働省が、平成30年4月に本格運用となる「無期転換ルール」の周知・啓発に力を入れ始めると同時に、ルール逃れに対する警戒感を強めている。

 厚労省労働基準局長はこのほど、全国の都道府県労働局に対し、無期転換ルールの適用を避ける目的で雇止めが行われた事案を把握した場合は積極的な啓発指導で対処するよう要請した。無謀な雇止めが多発すれば、労使トラブルが拡大する。企業としては、今から就業規則整備に着手し準備を始める必要がある。決してルール逃れできないことを肝に銘じてもらいたい。

 無期転換ルールは、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたとき、労働者の申込みにより期間の定めのない無期労働契約に転換させなければならないというものである。改正労働契約法が25年4月に施行されたため、通算5年の雇用契約が発生する30年4月から本格運用となるわけだ。

 本格運用まで残り1年余りとなったが、懸念されるのが雇止めの多発である。ルール逃れを目的とした雇止めが広がるようなことになれば、法改正の趣旨である非正規労働者の待遇改善に反するばかりか、不要な労使トラブルが増加して混乱しかねない。

 厚労省は無期転換申込権が発生する前に雇止めするのは「望ましいことではない」と強調。たとえば、有期労働契約の満了前に、企業側が更新回数などを一方的に定めて雇止めするなどの行為は慎重な検討を経るべきという。

 本紙に連載(11面「無期転換への羅針盤」)を寄稿している倉重公太朗弁護士はさらに強い調子で次のように訴えた。

 「無期転換を知らせずにやり過ごそうとする向きも一部でみられる。しかしそれは紛争化すること待ったなしである。30年4月が近付くにつれ報道が増え、労働者の意識も高まっていく」という。

 一方で倉重弁護士は事前準備さえしておけば恐れるに足らないと述べている。無期転換といっても、すべてを正社員化するわけではない。それぞれの企業実態に即した就業規則さえ整備すれば乗り切れるとしている。

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平成29年3月6日第3103号2面 掲載

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