【ひのみやぐら】自分の運転のクセを知る

2021.03.10 【社説】
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 車の自動運転の研究が進んでいる。前の車両にぶつからないように、自動で速度を調整するシステムや車線からはみ出さないようにハンドルの向きサポートする装置などは既に市販車に搭載されているそうだ。いずれは無人でコンピューターが判断して運転するシステムができるのであろうが、さすがに遠い未来のようだ。

 すべてが機械任せの自動車運転時代になるまで、車は人間が運転しなければならない。当然、公道で事故がないように走るためには、交通法規に則った運転が絶対条件だ。そのために、教習所に通って運転方法や法律を学び免許を取得するわけだが、人間が扱うものだから、操作にはその人の個性がどうしても出る。ギリギリまでブレーキをかけない人、発進時のアクセルの踏み具合が強めの人、あまり車間をあけず走行する人など運転の特徴がでてしまう。このようなクセは、一見些細なことのように感じるが、やはり事故を起こす遠因であることに間違いない。

 これまでは、ただ何となく「この人は運転が上手くない」「あの人はスピードを出し過ぎる」などぼんやりとした印象でしか評価できなかったが、IT技術の発展で安全運転の問題点が指摘できるようになった。今号特集Ⅱでは軽貨物運送業の創環会の事例を紹介しているが、車にドライバーのクセが分かるシステムを導入。急ハンドルや急加速などの運転傾向を点数化し、目で見て分かるように可視化した。数字で示すことにより、ドライバーも理解しやすく納得を得ることができるという。

 話が脇道にそれるかもしれないが、IT技術を駆使した見える化は、熱中症予防の分野などにも存在する。たとえば屋外作業者の腕にバンドを取り付けることで、心身の状態を測定。管理者はスマートフォンで作業者が危険な状態かを確認するというものだ。「何となく、あの人は具合が悪そうだ」という曖昧な判断による処置の遅れを回避できる。

 ITによる見える化で、客観的に自分のクセを理解し、安全につなげる。すべてが機械任せになるまで、人間はさまざまな技術を使って事故に注意して生きていくしかなさそうだ。

2021年3月15日第2374号 掲載

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