『書方箋 この本、効キマス』の労働関連コラム

2024.04.25 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第63回 『万物の黎明』 デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ 著/濱口 桂一郎 NEW

人類史を裏返す1冊!?  「万物の黎明」(The Dawn of Everything)とは超絶的に大風呂敷なタイトルだが、元の副題(A New History of Humanity=人間性の新たな歴史)や邦訳の副題(人類史を根本からくつがえす)というのが、まあ妥当なところだろう。  著者の一人は本連載の初年度に取り上げた『ブルシット・……[続きを読む]

2024.04.18 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第62回 『朝、空が見えます』 東 直子 著/荻原 裕幸

記憶に干渉する365の空  歌人であり小説家である東直子さんの、はじめての詩集となる『朝、空が見えます』がナナロク社から昨年末、刊行された。2017年の元日から大晦日までの、ツイッター(現X)上に投稿したことばから、日々の空の様子についての記述だけを抜き出し、詩として構成している。365のフラグメント(断章)は、それぞれが一行の詩であり、……[続きを読む]

2024.04.11 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第61回 『雪血風花』 滝沢 志郎 著/大矢 博子

「孝」と「忠」の狭間で…  忠臣蔵を知らない世代が増えているという。さもありなん、かつては風物詩のように放送されていたドラマもなくなったし、そもそも時代劇自体が減っているのだから。  ただ、忠臣蔵ドラマが減ったのには別の理由もあると私は考えている。ありていに言えば、いい加減書き尽くされたのではないか。大石内蔵助を主人公とした正統派はもちろ……[続きを読む]

2024.04.04 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第60回 『停車場有情』 水上 勉 著/蜂谷 あす美

人生の転機が蘇る一冊  3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀が開業し、私の故郷である福井が東京と一本で結ばれるようになった。合わせて同区間の在来線を走り続けた「しらさぎ号」「サンダーバード号」などの特急列車たちは終焉を迎え、運行最終日の3月15日夜には大勢の「ありがとう」に見送られながら、赤いテールランプとともに去っていった。  大学進学と……[続きを読む]

2024.03.28 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第59回 『仕事と江戸時代』 戸森 麻衣子 著/濱口 桂一郎

馬の世話役もジョブ型!?  この書評も2021年から始めたのでもう4年目になるが、その初めの頃に十川陽一『人事の古代史』(ちくま新書)を取り上げたことがある(関連記事=【GoTo書店!!わたしの一冊】第17回『人事の古代史―律令官人制からみた古代日本』十川 陽一 著/濱口 桂一郎)。古代から戦乱に明け暮れた中世を経て、平和な時代となった近……[続きを読む]

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。