【書方箋 この本、効キマス スペシャルゲスト選集(2023年下半期)】『あ・うん』『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実』『宗教の起源 私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』ほか

2024.01.01 【書評】
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労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋 この本、効キマス』から、2023年の下半期に公開した月替りのスペシャルゲストのみなさまによるコラムをまとめてご紹介します。

『江藤新平と明治維新』 鈴木 鶴子 著/佐賀大学経済学部 教授 早川 智津子
江藤新平に関する書籍を2冊、紹介したい。江藤が明治政府初代の司法卿に就任した明治5(1872)年、横浜に寄港したペルー船マリア・ルス号のなかで清国人の苦力(クーリー)が奴隷のごとく虐待されていた。

鈴木 鶴子 著、朝日新聞出版 刊、448円税込


『あ・うん』 向田 邦子 著/同志社女子大学 メディア創造学科 教授 影山 貴彦
いささか大げさな見出しを付けたのには理由がある。向田邦子は第83回(1980年上半期)の直木賞を受賞している。受賞は、連作短篇集『花の名前』、『かわうそ』、『犬小屋』によるものだ。

向田 邦子 著、文春文庫 刊、税込627円


『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実』 奥山 俊宏 著/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会 副理事長 石川 慶子
内部告発者はとかく裏切り者として批判される風潮がある。ジャニーズ事務所の性加害問題について告発会見を開いた被害者も「売名行為だ」、「現役には迷惑」と批判に晒されている。

奥山 俊宏 著、朝日新聞出版 刊、税込2530円


『少年』 ビートたけし 著/アニメーション監督 木下 麦
北野武は好きな映画監督の一人だ。北野武の映画は、とことん現実主義で冷徹な作品が多い。登場人物は渇いていて、どこか死の臭いが漂う。この世界はみんなが恵まれているわけじゃない。冷静に、かつ誠実に世界を俯瞰して見ている、光が当たる部分だけでなく、光によって落ちる影の部分を描く。

ビートたけし 著、新潮文庫 刊、税込1307円


『日本の経営〈新訳版〉』 ジェームス・C・アベグレン 著/山梨大学 生命環境学部 教授 西久保 浩二
本書は、周知のとおり日本の近代経営学、労働研究に多大なる影響をもたらした歴史的著作である。著者であるアベグレンは1955年から2度来日し、日本電気、富士製鐵など数社の日本企業の大工場を調査することで本書をまとめた。

ジェームス・C・アベグレン 著、日本経済新聞社 刊、税込2178円


『宗教の起源 私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』 ロビン・ダンバー著/法政大学 名誉教授 諏訪 康雄
未来は確実に見通せない。けれども私たちは、成就しないかもしれない夢や計画に情熱を傾ける。「いま、ここ、自分」だけの動物と違って、人類は過去を回顧し、現在を省察し、未来を展望して、さらには来世にまで想いを馳せる。

ロビン・ダンバー著、小田哲訳、白揚社、税込3300円

2023年上半期は、こちら

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