【書方箋 この本、効キマス スペシャルゲスト選集(2023年上半期)】『土竜』『寄席育ち』『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ほか
労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2023年上半期に公開した、月替りのスペシャルゲストにご執筆いただいた書評をまとめてご紹介します。
『土竜』高知 東生 著…選者/公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表 田中 紀子
「高知東生」と聞くと、読者の皆様はどのような印象を持たれるだろうか。「あぁ、あの薬物やって捕まった俳優ね」「イケイケのチャラ男」「美人女優の元夫」。このような意見が大半ではなかろうか。その彼が小説を書いた? 意外性に驚かれることと思う。
『寄席育ち』三遊亭 圓生 著…選者/落語家 三遊亭 楽麻呂
人にはそれぞれバイブルと呼べる一冊があるように思う。キリスト教文化圏の人々にとっては文字どおり『聖書』であるし、進化生物学者にとっては『種の起源』、また麻雀好きにとっては阿佐田哲也の『麻雀放浪記』かもしれない。そして私にとってのバイブルはまさにこの『寄席育ち』である。
『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ミア・カンキマキ 著…選者/作家 汀こるもの
フィンランド女性が、1000年前の日本の随筆のファンになって“推し”を追いかけて京都東山に行くエッセイ。これだけでもうツカミのパンチが強い。前提として『枕草子』はフィンランド語訳されていない。
『画家とモデル―宿命の出会い』中野 京子 著…選者/アートテラー とに~
美術って敷居が高い。美術って難しい。そう感じている人は少なくないでしょう。そして、そのように美術に苦手意識を持っている人の多くが、「美術は感じるものだ」と思い込んでいます。しかし、それは大きな間違い。
『もう一度、プロ野球選手になる。』 新庄 剛志 著…選者/バレーボール選手兼会社経営者 熊本 比奈
2019年に観たドキュメンタリー映画で、北海道日本ハムファイターズがかつては不人気なチームだったこと、それを払拭したのが新庄剛志氏だと知った。彼がどんな思考で物事に取り組んでいるのかに興味が湧き、彼の書籍をすべて購入したなかで、とくに私に影響を与えたのが本書だ。
2023年下半期は、こちら。