守りたくなる就業規則/トラスト・パートナーズ社労士事務所 代表 岸本 貴史

2017.02.12 【社労士プラザ】
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 足を踏み入れて約10年。私が初めて就業規則を手にしたのは前職場の社労士法人に入社してすぐだった。その時の印象はこうだ。

「こんなの誰がみるの?」

 初めて目にする就業規則はそれほど「文字だらけ」で「意味不明」な書類の束にみえた。

 それがいまや就業規則を強みに開業し、「就業規則を上手に使って魅力ある職場をつくりましょう!」と恥ずかしげもなく勧めているのだから不思議なものだ。

 思い返すと、社労士としての10年間は、「就業規則って何?」という答えを求め続けてきたといえる。

仕事を始めた頃は、就業規則にどんな価値があるのか分からなかった。

 「こんなにルールばかり書いてある就業規則ってそもそも何?」

 答えはすぐに先輩が教えてくれた。

 「就業規則は法律で作成が義務付けられている職場のルールブックだよ」

 なるほどそうか。その時は分かったつもりでいたが、経験を積むと次の疑問が湧いてきた。

 「こんなにも法律やルールに縛られてしまう就業規則でも、あった方がいいの?」

 これは悩んだ。担当した100社以上の顧問先の中には、就業規則を活用せずとも理想的な職場があり、一方で就業規則を積極的に活用していてもトラブルが絶えない職場もあったからだ。

 現状の私の考えはこうだ。「人が何人も集まって仕事をする以上、就業規則という名称にかかわらず職場にルールは絶対必要。しかし、重要なのはその作り方と使い方の両方である」。

 いま私は、就業規則を「組織風土を整え、生産性を向上させる」ために活用することに取り組み始めている。就業規則の作成時点で経営者の想いや従業員に求める行動などを明確にし、積極的に理念共有や能力開発にも利用する。

 「守るべき職場のルールブック」から「守りたくなる職場のルールブック」への意識の転換を、経営者の皆様とともに行う取組みだ。就業規則の可能性はまだまだ広がる。

 情報や知識はインターネットで簡単に手に入る時代になった。それは、経営上の個別の課題に、膨大な情報や知識をいかに整理して柔軟に対応していけるかが問われる時代でもある。

 専門家としての知識や着眼点を大切にしながらも驕ることなく、経営者の皆様と寄り添いながら新しい価値を社会に生み出していきたい。

トラスト・パートナーズ社労士事務所 代表 岸本 貴史【大阪】

【公式Webサイトはこちら】
http://www.trustpartners-sr.jp/

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