未払い残業代請求を防ぐ/北九州中央社会保険労務士法人 代表社員 江口 勝彦

2012.02.20 【社労士プラザ】
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 労働者の権利意識の高まりや未曾有の長引く不況が原因なのか、退職や解雇といった労働契約の終了に伴う未払い残業代請求のトラブルが多発している。さらには、インターネットを通じて労働者のサポートをPRしている合同労組や弁護士・社労士などの存在が拍車をかけ、予断を許さないものとなりつつある。

 未払い残業代請求のトラブルにおいて経営者サイドに悪意があるものはそう多くなく、「勝手に残業をしたものに払えない」、「営業職だから払う必要はない」、「課長職だから払う必要がない」、「本人の能力の問題である」、「サービス残業がないと経営が立ち行かない」など、労働基準法の無知によるものばかりでなく、経営者の気持ちも分からなくもない場合もあるのが現実である。

 その中で比較的多いものに、「給料は残業代込みで払っていた」というものがある。しかしながら、どこからどこが残業代なのかを区別することができず、あいまいな状況となっているケースがあり、その場合、経営者サイドの立場は非常に弱いのである。労働者サイドは、その違法性を指摘し、給料全額を基礎とした上で時給単価を求め、それに未払いとなっている労働時間を踏まえて未払い残業代請求を行ってくるのである。その結果、請求金額は予想以上に高額となり、それらの支払いを余儀なくされればたちまち事業経営が厳しくなることもある。

 「わが社には関係ない」という認識は非常に危険であり、今一度、未払い残業代請求という地雷が眠っていないかを確認する必要がある。

 また、いわゆる時給の場合は未払い残業の問題が発生することはまずあり得ず、正社員などの月給制の場合は「時給に換算するといくらなのか」という認識を企業経営者が持つことによって、この地雷を踏む危険性が大幅に減ると思われる。

 大切なことは、会社の指揮命令下にあって働いた時間について残業代を支払わないということは許されないものであることをしっかりと認識していただき、未払い残業代請求を起こさせないように(仮に未払い残業代請求を起こされても最小のリスクで抑えられるよう)、コンプライアンスを意識した労務管理体制を確立することである。

北九州中央社会保険労務士法人 代表社員 江口 勝彦【福岡】

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平成24年2月20日第2861号10面 掲載

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