【労働法超入門】兼業者の労災補償

2020.11.28 【労働法超入門】
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 令和2年9月から、改正労災法が施行され、ダブルワーカー(複数就業者)に対する補償が手厚くなりました。

 労災保険では、パート・アルバイト等も労働者として自動的に保険加入の対象となります。しかし、改正前は、ダブルワーカーが事故等に遭うと、補償面で不利益を被りました。

 一つの会社で被災すれば、当然、他の会社でも働けなくなります。しかし、労災保険の補償は、「被災した会社の賃金」を基準として計算される仕組みとなっていました。2社分の収入を失ったにもかかわらず、1社分の賃金補償しか得られない形だったのです。

 政府は、働き方改革の一環として、副業・兼業の促進を図っています。しかし、労災補償が不十分だと、普及の足かせとなります。このため、法改正が実施されたものです。改正後は、被災した会社だけでなく、休業を余儀なくされた他社就労分についても、賃金補償が行われます。

 さらに、ダブルワーカーは、2以上の仕事を掛け持ちすることにより、長時間・過重労働のリスクにもさらされています。しかし、2事業通算の労災認定はなかなか難しいのが現状でした。

 改正法では、新たに「複数就業先での業務上の負荷を評価して」労災認定を実施し、保険給付を行う点を明確化しました。当然、複数の会社分の収入を考慮して、保険給付額も決められます。

 ダブルワーカーに対する保護が強化されるのは、よいことです。しかし、それに伴い保険給付額全体がふくらめば、保険料のアップにつながります。この点については、事故発生企業・業種への負担を重くするのではなく、全業種一律に負担するという方針が採られています(メリット制等には影響しません)。

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