欠かせぬ対話力と共感力/津坂直子社会保険労務士事務所 所長 津坂 直子

2020.05.03 【社労士プラザ】
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津坂直子社会保険労務士事務所 所長 津坂 直子 氏

 いよいよ令和2年6月1日から、パワーハラスメント防止に向けた相談体制整備など、雇用管理上の対策義務化が始まる(中小企業は令和4年3月31日までは努力義務)。

 併せて、セクシュアルハラスメントや妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントにかかる防止対策の強化も事業主に求められる。

 これらの法改正に伴い、昨年から今年にかけて、様ざまな企業から依頼をいただき、ハラスメントに関する労務相談や、未然防止のための研修・セミナーを実施してきた。

 研修・セミナーの実施に当たっては、社会保険労務士として、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法の改正情報、裁判事例や法的責任などについて分かりやすく提供することを徹底してきた。

 そのうえで、ハラスメント防止のために職場における「対話力」がいかに重要か、さらには、「共感力」の大切さについて、プログラムに盛り込むことを心がけてきた。

 なぜならば、これまでに現場で発生したハラスメント事案や、企業の潜在的な課題に向き合うたびに、ハラスメントのない健全な職場においては、共通する2つの特長があることを実感しているからだ。

 1つ目の特長は、「対話力」を備えていること。対話が促進され、お互いのことを知り合えている職場では、コミュニケーションエラーや思い込みによる誤解が少ないと感じる。

 2つ目は、「共感力」があることだ。自らの言動が相手に屈辱感を与えていないか、人格否定をしていないかなど、相手の立場や気持ちを想像し、共感し合える職場環境においては、相手を傷つけるような言動はほとんどみられない印象である。

 この「対話力」と「共感力」は、職場におけるハラスメント防止に役立つだけでなく、これからのダイバーシティ経営を実現するうでも、非常に有益な考え方であると考える。「対話力」と「共感力」の効果が、異なる背景や価値観を持つ人材の相互理解につながっていく。

 私自身も、仕事をするうえで、お客様の実態を把握するための「対話力」、そして、お客様の課題の本質を見極める「共感力」を日々磨いていきたいと考えている。

 この2つの能力を高めていきながら、労務相談、人事制度・退職金制度構築、就業規則改定、研修立案・実施など、様ざまな解決策を提供できる社会保険労務士として、研鑽を積んでいきたい。

津坂直子社会保険労務士事務所 所長 津坂 直子【千葉】

【連絡先はこちら】
〒261-0013 千葉市美浜区打瀬1-2-3セントラルパーク・ウエストシータワー1708
TEL:043-274-7586

令和2年5月11日第3256号10面 掲載
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