【新型コロナウイルスの企業対応・労務管理】第2節 企業の判断に基づく措置

2020.02.09 【新型コロナウイルスの企業対応・労務管理】
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 以下の記事は、2009年10月に弊社より刊行された「新型インフルエンザ対応マニュアル」(絶版)をそのまま掲載しております。
 新型インフルエンザを対象とした内容となっており、古い部分もございますが、新型コロナウィルスが流行する中、企業の労務管理の対応方法としてご参照いただければと存じます。
 ・第1節 行政上の措置の種類
 ・第3節 従業員への休業発令
 ・第4節 休業時の賃金支払義務

 新型コロナウイルスに関する最新情報は、厚生労働省のWebサイトをご参照ください。
 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)〔厚労省Webサイト〕

1 感染防止策の検討

 基本的対処方針では、「事業者に対して事業自粛を行わない」というスタンスを取っています。事業者は「事業を継続」しつつ、感染機会を減らすよう努める必要があります。

 基本的対処方針では、考えられる対策の具体例を次のとおり挙げていますが、それを参考としつつ、企業が自らの判断に基づき、感染防止策を立案することになります。

 まず、従業員向けの対策として次の3点に留意します。

① 従業員の健康管理を徹底する(発熱症状のある者等への対応は、第3節参照)。
② 時差通勤・自転車通勤等を検討する。
③ 基本的な新型インフルエンザ対策を講じる。

 事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドラインに基づき、手洗い※1、咳エチケット※2、職場の清掃・消毒※3等を心がけます。

※1 流水と石鹸を用いて15秒以上手洗い。速乾性擦式消毒用アルコール製剤の利用も検討。
※2 咳・くしゃみの際、ティッシュなどで口・鼻をおおう。他の人から顔をそむけ、1~2メートル以上離れる等。
※3 水と洗剤を用い、机、ドアノブ、スイッチ、階段の手すり、テーブル、椅子、エレベーターの押しボタン、トイレの流水レバー、便座等人がよく触れるところを拭き取り清掃する。最低でも1日1回以上が望ましい。

 同ガイドラインでは、業務を継続する際の感染防止策を例示しています。

 ただし、基本的対処指針では、今回の新型インフルエンザ(A/H1N1)では、表「感染防止策の例」のうち次の3項目は必要でないとしています。

○業務の絞込み(不要不急の業務の一時停止)
○患者の入場防止のための検温
○訪問者の氏名、住所の把握

業務を継続する際の感染防止策の例

 次に、娯楽施設や飲食店などの集客施設では、次の3点にも留意します。

① 病み上がり・体調不良・発熱症状のある人には利用の遠慮を要請する。
② 利用客が多くない場合に客間の席を離す。
③ 利用客が施設内で発症した場合の対策を立てておく。

2 事業継続計画の作成

 現時点では、国による事業の自粛要請等は想定されていませんが、事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドラインでは、大量の罹患者等が発生した場合の対策として、事業継続計画の策定を挙げています。

 事業継続計画(BCP=Business Continuity Plan)とは、本来、脅威の種類(たとえば地震)を問わず策定しておくべきもので、強毒性も含めた新型インフルエンザの流行を想定した計画も、事前に策定しておくのが望ましいといえます。

 事業継続計画の中核となるのは、従業員等の感染を防ぐとともに事業への影響を最小限に抑えるために、どのレベルまで事業活動を縮小するべきか、その基準を定める部分です。計画作成の際には、次の手順に従って検討します。

【STEP1】方針の立案

 同ガイドラインでは、事業者を大きく4種類に分けて、方針の立案を求めています。

① 社会機能の維持に関わる事業者
 2カ月以上事業を停止することにより最低限の国民生活の維持が困難になる恐れのある事業者は、自社の経済的合理性を一部犠牲にしても、事業を継続する社会的責任を負います。こうした事業者は、一定規模以上の事業の維持を前提とした計画作成が求められます。

② 自粛が要請される事業者
 現在、基本的対処方針では、「不要不急の外出の自粛、集会、スポーツ大会の開催の自粛、事業活動の縮小・自粛」までは必要ないとしています。

 しかし、不特定多数の者が集まる場・機会を提供している事業者は、新型インフルエンザの種類・発生状況に応じて、利用客が激減するリスクにさらされています。行政措置の発動や風評被害も想定した計画作成が必要になります。

③ 一般の事業者
 事業縮小の要否は主に自社の経営判断によりますが、従業員・利用客の感染を防止し、経済活動の停滞等に対応するため、不要不急の業務は積極的に縮小・休止するという視点から計画を作成すべきです。

④ 海外進出企業
 進出先でインフルエンザが流行した場合に備え、現地の事業継続の可否のほか、日本人従業員やその家族の帰国の必要性・手段等も踏まえた計画を作成します。

【STEP2】事業影響分析と重要業務の特定

 上記4種類の事業特性も考慮しつつ、新型インフルエンザの発生状況に応じ、どの程度の事業縮小が必要になるかリスクを検討し、どの業務に人的・物的資源を集中すべきか、ランク付けをします。

重要業務特定の視点

【STEP3】重要な要素・資源の確保

 ステップ2で特定した重要業務を継続するため、必要不可欠な要素・資源を洗い出します。物的・人的資源は、インフルエンザ発生により次のようなリスクにさらされます。

RISK1 海外拠点の操業制約
RISK2 輸出入の制約
RISK3 学校休業等に連鎖して発生する共働き社員の休業
RISK4 保健所による外出自粛要請
RISK5 会社の自主判断による自宅待機
RISK6 サプライチェーン※の機能低下 ※事業継続に必要な一連の取引事業者

 資源確保のために必要な対策は何か、それによりどの程度の資源確保が可能になるか検討する必要があります。

【STEP4】人員計画の立案

 適切な感染防止策を講じ、教育・訓練等も徹底させる一方で、新型インフルエンザの発生状況に応じた人員計画(勤務体制や通勤方法の見直しも含みます)を立案します。

 感染した従業員の多くは発症から10日程度で治癒し、ウイルスに対する免疫を持つと考えられます。

第1節第3節第4節

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