労務監査で就労環境改善へ/社会保険労務士法人 ジャパン・パーソネル・サポート 代表社員 河村 卓

2012.05.14 【社労士プラザ】
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 労務コンプライアンス監査(労務監査)を行って、企業の労務管理に関する課題を発見し、改善のための提案を行うことが増えてきた。

 多くの支店や営業所、店舗を有する企業では、就業規則など社内規則の運用や労務管理がそれぞれの部署や支店・営業所の判断で行われ、本来の趣旨から逸脱することも少なくない。労務管理に携わる企業の担当者は、各部署の実態を把握し、不適正な取扱いがあれば改善のための指導を行い、企業としてのコンプライアンスを維持しようとする。

 私の事務所で労務監査を行う場合は、3人の社会保険労務士でチームを編成し、まずは本社において人事労務を担当する役員から企業の概要説明を受け、実務担当者から労務管理に関する実際の取扱いをヒアリングする。その際、ヒアリングに先がけてお預かりしていた就業規則等の諸規定の文書レビューを済ませておく。

 ヒアリング当日は、文書レビューにおいて不明確だった事項を確認し、企業での実態と規則の整合性を確認することになる。さらに、本社や各部署の現場を訪問して業務の実態を確認しながら、責任者や従業員へのインタビューと、従業員に対する無記名式のアンケートを行って労務管理の実態を深く掘り下げていく。

 実際に、企業に赴いて労務監査を行ってみると、多くの担当者は自社内の実態についてある程度の認識を有しているが、積極的な提言や思い切った問題指摘を行うことに限界があると感じられる。

 我われ社会保険労務士が客観的第三者の立場に立ってこそ、本来順守すべきコンプライアンスとの乖離を正確かつ厳しく指摘することが可能である。

 せっかく指名をいただいた労務監査の機会であるので、企業が抱える問題点の本質を正確に指摘するのはもちろん、よりよい労働環境を創造するための積極的な提案を行い、その実現のために労務監査後も継続的に関与させていただくことで、責任を全うできると考えている。

 労務コンプライアンス監査は「監査が目的ではなく、その後の労働環境の改善こそが目的」であると、いつも心に留めて業務に携わっている。

社会保険労務士法人 ジャパン・パーソネル・サポート 代表社員 河村 卓【東京】

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平成24年5月14日第2872号10面 掲載
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