労務の”総合診療”めざす/社会保険労務士榊直哉事務所 榊 直哉

2016.08.10 【社労士プラザ】

社会保険労務士榊直哉事務所
榊 直哉 氏

 平成17年12月15日に社会保険労務士として登録したので、私の社労士としてのキャリアも11年目に突入した。この間に、様ざまな法律が改正され、あるいは新設され、冷汗とも脂汗ともつかない汗をかきながら、それらの対応に日々追われてきた感がある。

 既知の事実だが、労働基準法および社会保険諸法を中心として、我われが扱う法律は、経営者および労働者、その家族の生活に密接に関係している。法改正がひとたびあれば、関与しているお客様に混乱が生じないように我われの業務がにわかに混沌としてくる。早回しで平時への対応を余儀なくされる。「当たり前のことを当たり前に」処理しなければならない。
我われの業界を取り巻くここ数年のキーワードをみても、まさにカオスである。

 「ブラック企業」「定額残業」「年金一元化」「マイナンバー」「ストレスチェック」「有期労働者の無期転換」。最近では「同一労働同一賃金」。特にこの問題については今年5月に出た、某運送業に係るトラック運転者の裁判で、私のような地方の一介の社労士の考え方の根幹を揺るがすような衝撃的な判決が出たところだ。これまで日本の良き伝統として席巻していた「終身雇用」「年功給」の否定を意味するといっても過言ではないだろう。これも時代の要請なのか。

 近年は、いわゆる「臭いものには蓋」だったタブーの労務管理が、少しずつ切り崩されていっているような気がする。ますます、個々の頭で考え、判断し、より具体的な提案型業務になっていかなければならないと痛感している。

 一方、我われ社労士が活躍できるフィールドが飛躍的に増加している証ともいえる。誤解を恐れずにいうと、これからは労務の総合診療を求められているのだと思う。これはできるがあれはやりたくないとか、自ら選択肢を狭めてはいられない。自戒の意味も込めて、ここに綴れたことは幸いなことだ。

 私事であるが、パソコンに向かってこの原稿を書いている本日は、奇しくも私の誕生日、7月10日である。また新しい自分がスタートできることを懇願して、そして、自分を見つめ直す機会を与えていただいた労働新聞社に敬意を表して、「ありがとうございます。これからも基本を忘れずに頑張ります」。

社会保険労務士 榊直哉事務所 榊 直哉【青森】

【公式Webサイトはこちら】
http://www.sakaki-consult.jp/

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掲載 : 労働新聞 平成28年8月8日第3076号10面

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