【今週の労務書】『雇用は契約 雰囲気に負けない働き方』

2018.05.12 【書評】

雇用を基本から見直す

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 「雇用」は民法上の典型契約にも挙げられている紛れもない「契約」であるが、当事者自身が契約内容を把握しておらず、それが様ざまな問題の根源になっていることを鋭く指摘しているのが本書である。

 とくに問題視するのが「契約期間」。相当な割合の労働者が、自分が無期雇用か有期雇用か、有期ならいつまでの契約なのかを認識していないというデータを示し、無期転換など適切な権利行使ができずキャリアアップ等にも支障が出るなど職業生活に悪影響をもたらすことを危惧する。

 使用者側も取り決めた労働条件を提示しないと違法状態を引き起こすうえ、契約の軽視は雇用のグローバル化の弊害にもなる。労使問わず、契約たる雇用を根本から見直す教材としても適した一冊である。

 (玄田有史著、筑摩書房刊、TEL:048-651-0053、1600円+税)

掲載 : 労働新聞 平成30年5月14日第3160号16面

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