知的好奇心の効用/猿田社会保険労務士事務所 所長 猿田 信彦

2017.12.24 【社労士プラザ】

猿田社会保険労務士事務所
所長 猿田 信彦 氏

 脳についての研究が進んでいる。

 最近読んだ本によれば、「脳は生きている限り、一生成長し続け、新しい能力を獲得し続けることができる」という。その一方、脳は気まぐれで、思いどおりには動いてくれないことも事実である。「勉強しなくては」と思っているときほど、机の上をつい整理し始める、片付けなければいけない仕事よりメールのチェックを優先してしまう、といったことは誰しも経験することと思う。

 このように気まぐれな脳に気持ち良く働いてもらうには、良い生活習慣を続けることだという。良い生活習慣とは、規則正しい生活、適切な睡眠時間などであるが、中でも大事なのが「好奇心(知的好奇心)」を持ち続けることである。

 脳は、新しい知識や情報、技術の獲得といった広い意味での勉強に飢えているといっても良い。我われが勉強するのも単に知識を詰め込むためではなく、仕事、趣味、人間関係などの現実の世界に活かすためである。

 では、社会保険労務士の仕事に知的好奇心を、どのように活かせるか。まずは情報収集である。課題を常に考え、好奇心を持ち続けてアンテナを張り巡らせる。情報過多ともいえる現代であるだけに、いかに本物の情報を得るかも大事である。

 次に課題解決のためにいかに情報を組み合わせ、加工・処理するか知恵を絞る。具体的に考えてみよう。

 現在、労務関係法律の改正が頻繁に行われている。とくに「働き方改革」が、政府主導の下で国を挙げて推進され、産業と就業の構造には大きな変化が起こりつつある。残業をなくし、同一労働同一賃金を実現し、人間らしい生活を取り戻すことが目標である。しかしながら、単に労働時間を短縮し、非正規労働者の賃金を上げるだけではなく、各産業が世界に伍して生き残るためには、生産力・競争力の向上も同時に達成しなければならないという厳しい現実が待っている。

 労働環境を改善し、なおかつ生産力を上げるためにはどうしたら良いか。今までの経験の延長線上に解決の道はみえてこない。「一律から多様へ」、「他律から自律へ」をキーワードに、経営層はもちろん、社員個々もアイデアを出し合い、総合力で企業の力を高めていく必要がある。社会保険労務士として、知的好奇心をフルに発揮し、どんな提案ができるか全力で取り組んでいきたい。

猿田社会保険労務士事務所 所長 猿田 信彦【神奈川】

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掲載 : 労働新聞 平成29年12月25日第3142号10面

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