【主張】金融機関との連携に期待

2016.02.15 【主張】
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 厚生労働省は、わが国企業の「生産性革命」に向けて、金融機関との連絡会議を設置したという(本紙2月1日号1面既報)。労働行政と民間金融機関が連携・協働するのは今回が初めての試みであり、どのような成果が生まれるか期待したい。

 行政による政策誘導に加えて、金融機関による「実弾」支援とプロによる経営アドバイスが実行されれば、地域企業の発展につながる可能性が高まるからだ。働き方改革とワーク・ライフ・バランスにも寄与するだろう。

 厚労省では、都道府県ごとに労働局や自治体、労使を交えた働き方改革会議を設置している。地域の実情を踏まえた課題分析や事業計画を立案して働き方改革につなげようとしているが、こうした政策誘導だけでは限界がある。行政の方針を受けて経営改善、働き方改革を実行できる地域企業はそう多くない。

 そもそも厚労省がこれまで柱としてきた働き方改革だけで企業の生産性向上をめざそうとしても難しい。地域の特性や将来性を見据えた事業開発や、必要な資金提供など様ざまな要素が有機的に結び付く必要がある。

 そこで、塩崎厚労相の肝入りでスタートしたのが、金融機関との連携・協働である。行政による掛け声だけで終わることなく、金融機関のプロの目を通した優良企業の発掘と経営アドバイスを推し進めて、結果的に地域の活性化を狙うものである。たとえば、ICT化やロボットの導入などによる業務効率化・スリム化などである。

 場合によっては、金融機関による資金面でのバックアップも加わることになろう。仮に資金提供がなされれば、その金融機関による長期にわたる経営支援が継続する期待もある。

 これまでに前例のない能動的な政策連携と位置付けることができ、「生産性革命」実現への政権の意気込みが伝わってくるアイデアだ。成否のカギを握るのは、参加している金融機関の取組み姿勢である。地域企業の育成に本腰を入れ、経済の底上げに結び付ける重要な役目を担うことになる。

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平成28年2月15日第3053号2面 掲載

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