話合い通じ納得性高める/プライム労務経営事務所 大川 徳子

2015.04.20 【社労士プラザ】

プライム労務経営事務所
大川 徳子 氏

 人事評価や昇給について、アドバイスを行う際、よく思い出すことがある。人事評価の基本として、客観的基準を設け、事実に基づき公正で納得性のある評価を行う必要があるが、納得性のある人事評価を行うのは少々やっかいである。

 会社は評価結果を本人にフィードバックをしたことで「納得しているだろう」という憶測を立て、あるいは「本人の能力であり仕方あるまい」として納得性の低いまま放置している場合も多いのではないだろうか。しかし、本人の納得がいかなければモチベーション低下を招き、本人だけでなく周囲にも悪影響を及ぼしかねない。

 これは会社に損失を与えることであり、このような事態を避けるのにどのようにすれば良いのか。会社あるいは経営者が「人」というものをどのような視点でみているのか、「人」という意思も感情もあるものを扱う以上、決まった答えはない。しかし、「人材」を本当の「人財」にすることが重要である。

 私の個人的な体験について少し述べさせていただくと、私は3人兄弟の末っ子である。1番上は姉、次に兄、そして私と続く。私が子供の頃、母は3人ともに遜色なく愛情を注いでくれたが、兄弟3人は母に対しそれぞれ感じていたことが違う。姉は末っ子の私ばかり愛情が注がれていると思い込み、兄は男なので女姉妹よりも構われていないと考え、私は姉、兄がいつも尊重されているように感じていた。母は公平に扱っているつもりだが子供達は不公平だと感じている、そういう思いの相違があった。

 この構図は母=会社、子供=従業員でも当てはまる部分があるのではないかと思う。大人になってから、ふとした拍子に話題に上がり、母、兄弟がどのように思っていたかを笑い話のうちに聞くことになった。親子であってもこれだけの思いの相違が起こり得るのに、会社と従業員の間ならなおさらのことだろう。

 思いの相違というのは起こり得ることであり仕方がない。とはいえ本人の思い込みや解釈を正しいかのように思っていることも多く、早めに軌道修正する必要があるだろう。そのためには話をするのが大事。話すことで思いの相違も分かり、お互いの理解が深まる。誰とでもじっくり話してみないと分からないものだ。

プライム労務経営事務所 大川 徳子【大阪】

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掲載 : 労働新聞 平成27年4月20日第3013号10面

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