今こそ請負に転換を/㈳全国請負化推進協議会 代表理事 野々垣 勝

2013.09.16 【人材ビジネス交差点】

㈳全国請負化推進協議会 代表理事 野々垣 勝 氏

 2012年の派遣法改正に続き、2013年は改正労働契約法が施行され、今、労働環境は大きく変わっている。大手メーカー等の派遣先企業は、人材派遣の活用を終焉させようとしている。ひと言で言えば、派遣先企業の派遣離れである。その事由は、当該法改正が基調とする派遣労働者の保護にあり、とりわけ「均衡待遇」は、派遣先企業にとって最大のリスクと化している。その様相は、いわゆるパートタイム労働法施行時(1993年)、大手メーカーが一斉にパート離れしたのと同様に、大手派遣先企業は、均衡待遇を求められるなら外部人材(派遣)を使う意味がないという本音に従い、派遣利用の継続で出口を塞がれてしまうのを回避するため、派遣離れを英断しているのである。たとえ直接雇用の契約社員とて、「雇止め」になるのである。

 一方、法改正で人材派遣業界の売上げは縮小の一途を辿り、その要因を単に不景気と捉える傾向がある。これは、人材ビジネス業界の勘違いにほかならず、均衡待遇を理解していないのは、人材ビジネス業界それ自体なのである。従って、人材派遣業界は、派遣先企業の本音をきちんと理解した上で新しい提案をすべきであり、派遣先企業もそれを期待していることに気づく必要がある。

 法改正による規制強化の結果、均衡待遇の確保は、人材派遣会社のみならず、派遣先企業にも講ずべき措置を迫っている。すなわち、賃金はじめ、教育訓練・福利厚生等に至るまで、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先労働者のそれらに関する情報を、人材派遣会社の求めに応じて提供するよう努めなければならないのである。派遣先企業が大手であればあるほど、その乖離は大きい。

 今後、均衡待遇にかかわる問題を解決していくために、残された選択肢は、「請負」しかないのである。

 “派遣から請負へ、直接雇用も間接雇用(請負化)へ”と、まさに転換すべき時だろう。今後の派遣制度の在り方に関する厚生労働省の検討の行方を待っていては遅い。企業が雇用責任のリスクを回避したいのなら、迷わず、請負化に臨むべき、と断言するばかりである。

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掲載 : 労働新聞 平成25年9月16日第2937号10面

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