法改正を雇用安定の契機に/㈱NCI総務部長兼法務部長 吉田 光利

2014.03.03 【人材ビジネス交差点】
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㈱NCI 総務部長兼法務部長 吉田 光利 氏

 厚生労働省労働政策審議会は、厚生労働大臣に対し、2015年4月からの適用をめざす「労働者派遣制度の改正」について建議を行った。厚労省は法改正案を現在開会中の通常国会に提出することとしている。2012年10月の法改正の影響は大きかったが、今回の改正案も人材ビジネス業界にさらに大きな影響を与えそうだ。

 改正後の制度では、業務単位で派遣期間を制限していた点を見直し、個人単位で上限を設定する。3年の派遣期間を超えた無期雇用以外の派遣労働者は、ほかの職場に移らなければならないことから、今まで習得した技術に加えて新たな技術を習得することが重要になる。派遣元に対しては、キャリアアップの措置として、計画的な訓練を行うよう義務付ける。派遣元はさらに、労働者の雇用を守るために、新たな派遣先の提供、派遣先企業へ直接雇用の交渉、派遣元においての無期雇用などの措置を講じなければならない。

 弊社においては、雇用の「受け皿」としての請負事業の拡大や自社工場の拡大といった準備を進めている。派遣先での直接雇用などは、派遣元・派遣先・派遣労働者の三者が理解し合い、協力すべき課題である。

 派遣労働者の教育訓練の義務化に対しては、派遣元において教育研修場所やパソコンなどの教育機材・資料が必要となるため、今から準備すべきである。教育訓練の義務化については、派遣業界のみの取組みにとどめず、各市町村・県・国レベルでさらに充実した支援態勢が必要になるだろう。

 地域によっては、環境や経済状況により労働者派遣事業の役割が都市部とは大きく異なる。いくら優秀であっても企業による直接受入れが難しい外国人労働者や主婦、閑期における季節労働者など多様化する求職者への就労サービスは、地域経済の活性化に欠かせない事業となっている。

 改正案についていろいろ議論はあると思うが、派遣制度が正社員の存在を脅かすという懸念を抱くより、条件面を充実させ、それぞれの立場でアベノミクス効果による経済成長を期待しながら、雇用の安定・待遇条件アップなど、就労サービスの向上に努めなければならない。

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    平成26年3月3日第2959号10面 掲載

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