就業規則見直しで課題発見/社会保険労務士事務所前村ひと・しごと研究所 前村 義章

2013.10.14 【社労士プラザ】

社会保険労務士事務所
前村ひと・しごと研究所
前村 義章 氏

 就業規則の整備や改定は、当然ながらそれを形(「カタチ」)にするプロセスが必要だ。まさに労務管理の土台として、多くの中小企業等の人事労務で重要な役割を果たしている。

 就業規則の成り立ちは、事業所内の重要なルールを成文化することに始まり、そこに法律上の根拠と規制も加えられてきた。ところが、そうした成り立ちと整合しない就業規則も過去に散見された。いわゆる、形骸化の問題である。特に中小零細企業において十分活用されないというジレンマがあったのではないだろうか。しかし、当地でもこの状況は確実に変わってきている。近年、とりわけ個人ベースの労使紛争が増加するなど、労務リスクへの対応が就業規則改定の大きな流れとなっているからだ。

 そうしたリスク対応型の就業規則では、過去のトラブルを教訓として様ざまな工夫がなされる。採用から解雇・退職の問題、また年次有給休暇やメンタルヘルスまで、実に詳細に検討されていることはご承知のとおりである。しかも、これらは日常的に労使から活用されることを前提としているはずである。

 その中でも最近顕著になっているのが、いわゆる残業代問題である。一般的にいって、残業代問題の抜本的な対処は、本来難しい。前向きに解決するとなると、現場の実務まで検討したり、社内の意識改革をしなければならないことも少なくないからだ。そうしたハードルを乗り越えるには、相当の時間とエネルギーが必要となるが、現在のような先が読めない状況では、目先のことを優先させ、この問題について後ろ向きになってしまう例も多いであろう。

 そのような意味で、就業規則を社労士に依頼される企業は、まだまだ余力というか、改善の余地が大きい。経験的に、見直し作業を通じて見えてくるものがあったり、経営者等とのディスカッションから、問題解決への道筋が見出せることも多い。就業規則を形にするプロセスには、いくつもの副次効果やメリットがあることを最近改めて感じている。

 就業規則という「カタチ」作りを支援することは、労務管理の土台を作り、それをベースに組織の活性化へとつなげる要であり、人事労務サポートの柱として今後も注力していきたい。

社会保険労務士事務所前村ひと・しごと研究所 前村 義章【鹿児島】

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掲載 : 労働新聞 平成25年10月14日第2940号10面

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